
芸術の街として名高い東京・上野。東京都美術館では「フェルメール展」が開催されるなど、世界の名作が集まる。東京芸術大学もあり、芸大が中心となった上野タウンアートミュージアムでは美術館の外でもアートイベントが繰り広げられている。
その上野が始発の常磐線。「カップ酒を手にした男性が目につく」と地元住民が言うなど、自らがやぼったいイメージを持っているという。アートとは縁遠い路線のように思われがちだが、沿線のイメージアップを図ろうと2年前に始まったのが、JOBANアートライン協議会だ。秋を中心に沿線の4区や4市でアートイベントが催される。
「今年は上野に負けないものがある」と胸をはるのは、千葉県柏市の柏二番街商店会理事長で、JOBANアートラインプロジェクト柏実行委員会代表の石戸新一郎さん(60)だ。「芸大の校舎がある北千住や取手と違って、柏にはアートの下地がない。だからこそ、ボランティアが集まって盛り上げてきた」という。
柏駅近くでのライブペインティングに見入る通行人も=写真は昨年
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「de・Qu・wa・su」。今年の柏のテーマ「でくわす」は、日常の街にアートをとけ込ませ、住民とアート、柏を訪れた人が「でくわす」ことで、その化学反応を楽しもうというものだ。
道路にキャンバスを並べ公募のアーティスト30人が即興で絵を描く「ライブペインティング」は恒例の企画。以前柏に住んでいた美術家の竹本真紀さん(32)は、作品「トビヲちゃん」を街中の店の窓や街灯に仕込む。初めて柏を訪れる人にはガイドツアーも。「柏の盛り上がりを広げて10年後にはアートが描かれた常磐線を走らせるのが目標です」と広報担当の藤田とし子さん(50)は夢を語る。