赤いモミジに包まれ
鳥居観音の紅葉。まるでモミジのトンネルのよう=写真は04年
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「日本の四季をきちんと撮りたい」という北野武監督の思いを形にした映画が02年の「Dolls ドールズ」だ。
監督は色にこだわった。制作過程を管理するラインプロデューサーの小宮慎二さんらは、「赤」の中を男女2人が歩くシーンの背景を探して、50カ所以上ロケハンを重ねた。まだ青々とした山の中で、ひたすらモミジの木を探していたある日、埼玉県飯能市上名栗の鳥居観音に「行き当たった」。「下見に来た北野監督には『本当に赤くなるよね?』とだけ聞かれました」
鳥居観音の紅葉は期待を裏切らなかった。真っ赤に染まった山の中を、赤いひもでつながれた2人がさすらう。強烈な印象を与えるシーンが生まれた。
同所で撮影されたシーン。写真提供:オフィス北野
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「撮影の年の紅葉は特にきれいだった」と鳥居観音代表役員の平沼宏之さん(68)。30年ほど前から、特に赤くなる種類のモミジを植えているので、橙色(だいだい)や黄色ではなく鮮やかな赤色の紅葉が楽しめる。見頃は11月半ば。今年は少し早いかも、と平沼さんは予想する。
槙東淳住職(53)は、四季を人の一生になぞらえる。「紅葉は人でいえば50代くらい。経験を積み一番美しい時だが、それは散る前の最後の輝きでもある」。名栗の紅葉に包まれて自分を見つめる時間を持ってほしいという。
「Dolls ドールズ」
北野武監督・脚本・編集。菅野美穂、西島秀俊ら出演。DVD発売中(バンダイビジュアル、5250円)。
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飯能周辺の見どころ
◆なぐり紅葉まつり
11月15日(土)午後5時、16日(日)午前10時、鳥居観音(飯能駅からバス)。会場から山上へのシャトルバスが臨時運行され、バスでも歩きでも紅葉を楽しめる。歩くと40分ほどかかるので履き慣れた靴で。問い合わせは実行委(042・979・1515)。
◆秋を味わう精進料理
竹寺(飯能駅からバス、TEL042・977・0108)。モミジの葉やアケビなど秋の山の幸を使った精進料理=
写真=を味わいながら、素材にまつわる法話を聞いたり問答したり。料理には野の花や和歌が添えられている。「目で食べ、心で味わう」と大野亮雄住職(92)。精進料理は春と秋(秋は12月中旬まで)。3000円から(要予約)。そば膳1200円。
◆さわらびの湯
(飯能駅からバス、TEL042・979・1212)
露天風呂もある日帰り温泉施設。地元のヒノキを使い、天井が高く開放感がある。飲食物の持ち込み可。3時間800円、小中学生400円。午前10時〜午後6時(11月15、16日は7時)。第1(水)休み。
並木道を散歩

孤独な大学8年生と、中年の借金取りの東京散歩を描いた07年の映画「転々」。歩くにつれて心を通わせてゆき、黄に色づいた並木道を歩く2人の後ろ姿は、まるで本当の親子のようだ。散歩の終わりはもうすぐ。寂しさが伝わってくる。
このシーンは明治神宮外苑のいちょう並木=
写真=で撮影された。300メートルの道沿いに樹齢百年の146本が並ぶ。千駄ケ谷駅から明治神宮北参道に至る道に植栽された木々も含め、すべて同じ木の種から生まれた兄弟木だ。「でもそれぞれに個性があり、黄葉のスピードや枝ぶりが違う」と同外苑庭園課の中田勝美さん(53)。
11月15日〜12月14日の「いちょう祭り」では、全国各地の特産品などが販売される。小腹を満たしたら、兄弟木を見比べつつ、明治神宮までの散策を楽しんでみてはいかが。
「転々」
三木聡監督・脚本。オダギリ ジョー、三浦友和ら出演。DVD発売中(ジェネオン エンタテインメント、4935円)。
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