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2009.5.26(火)更新  書にふれる街角
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書にふれる街角
 店の看板や広告など、街中で書を目にすることが多くなりました。古典的なものから若手作家の芸術的な作品まで、字に込められた書家の思いを想像しながら楽しむのも一興です。
 
洋と和の創作 志同じ
橘京身さんの作品
橘京身さんの作品「奇妙奇天烈」
 東京・銀座でオーダーメードの洋服を扱う「サローネオンダータ」で、5月26日から31日まで、書家・橘京身さん(30)の個展「奇妙奇天烈の解放」が開かれる。洗練された店内の白壁に「余白を意識した」という大小約10点を飾る。

 仕掛けたのは、サロンの経営者で、スーツなどのデザインも手掛ける滝沢滋さん(45)。低価格、大量生産の洋服に注目が集まるなかで、生地から仕立て、一人ひとりの体にフィットするものを作り上げる。自身の物作りへのこだわりが、書を通して自己表現をする橘さんと重なった。洋と和、世界は違っても「地に足のついた物作りを志す者として同じものを感じた」という。

橘京身展
東京・銀座7の8の17、8階のサローネオンダータで。正午〜午後8時。近くの姉妹店サロンド・バーグレーでも同時開催。問い合わせは03・3569・3962

 
等身大の思い宿る
紫舟さんの作品
和紙に書いた「風」を立体オブジェにして撮影した紫舟さんの作品
 銀座や表参道で定期的に個展を開き、若手作家をリードする紫舟さん。企業広告からテレビ番組のロゴ、新聞の連載までその活躍は幅広い。

 パソコンで書いた文字が「情報」になるのに比べ、人が描いた字の中には、「人の思いが宿る」と書の魅力を語る。

 書道は古くから日本に残る文化の一つ。人の心を映し出すものだけに、人生の時間を積み重ねてきた大家には「まだまだ背伸びをしてもかなわない」という思いがある。

 だからこそ、等身大の自分の情熱をぶつけることに徹する。色を用いたり、オブジェを作ったりするのはその延長線に過ぎないのだという。

 
Tシャツに墨で
墨でデザインしたTシャツ
 和の文化を取り入れたアクセサリーや洋服を扱う店を展開する「和心」では、6月上旬から墨でデザインしたTシャツ=写真=を販売する。伝統と今のライフスタイルとを掛け合わせた新しいものを提案しようと、書家の三玉香玲さん(29)と共同開発した。墨で抽象画や女性の顔を描いた3点が発表される。

 従来の書の概念にとらわれず、表現手段として新たな世界に挑戦する三玉さん。「書くということでは、文字でも絵でも同じ表現であることは変わりない」と話す。

 東京・新宿のマルイワン1階、新宿かすう工房(TEL03・3355・0933)などで販売。3990円。

 
 
心のよりどころは「伝統」
 消費動向に詳しい東急エージェンシー買場ISC研究所・太田善人所長の話
和菓子屋「とらや」ののれん
 会社近くの和菓子屋「とらや」ののれん=写真=を見ると、美しさと重厚感を感じます。書は日本人の心に安心感や付加価値を与えてくれます。
 経済や社会のモラルが崩れ始めると、日本人は昔から変わらない「伝統」に絶対的な価値を見いだし、心のよりどころにするようです。ロゴや看板に書が多用されるのはそうした消費者心理を突いたものといえるでしょう。
 
 関連イベント
丸山晋一写真展「空書」
 6月24日(水)〜8月8日(土)、東京都目黒区のブリッツ・ギャラリー
 (学芸大学駅、TEL03・3714・0552)。

書家・矢部澄翔個展
 7月13日(月)〜8月2日(日)、川口市立映像・情報メディアセンター
 (川口駅、TEL048・227・7622)。

 
(2009年5月25日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
 
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