
ゆらめく炎に照らされて、壁に掛かった絵がぼんやりと浮かび上がる――。
照明を落としたギャラリーで、ろうそくの明かりを手に、アート作品を鑑賞する催し「トウキョウ・ミルキーウェイ」。3年前、現代美術のキュレーター、深瀬鋭一郎さん(45)の呼びかけで始まった。深夜までネオンに覆われた銀座の街を見て「都会に星空を取り戻すきっかけにしたい」との思いからだった。
以来、毎年夏至の頃、「芸術で地球を救う」をテーマにこのイベントを催すようになった。銀座をはじめ都内のギャラリーが中心となり、今年は約50カ所が参加する予定だ。
銀座でこの催しをとりまとめるギャラリーツープラスのオーナー、加藤晴正さん(51)は、「暗闇ならではの光と影が魅力」と語る。額縁や人の影が展示物に重なってアートの一部になるという。毎年、ギャラリー初心者も多く訪れ、「アートにあまり関心がない人も、イベントを楽しむ感覚で来てほしいですね」と話す。
台東区のgallery COEXISTでは、キャンドル作家、キャンドル・ジュンさんの個展を6月28日まで開催。旅先で拾った流木を集めて作った「大樹」のオブジェの周りに、大小のろうそくが並ぶ。来場者はじゅうたんに座り、作品に囲まれて時を過ごす。「大樹の周りに人が集う空間を作りたかった。ろうそくの炎を見ていると、人は自然といい表情になりますね」