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2009.12.1(火)更新  グルメなコーヒーで一息
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グルメなコーヒーで一息
 米シアトルの大手コーヒーチェーンが日本進出を果たしたのは1996年。今ではふた付きのカップを片手に街を歩く光景が珍しくなくなりました。さらにここ数年は、エスプレッソに特化したり豆の品質を重視したり、様々なスタイルでコーヒーを追求する店が人気を集めています。(蒔苗沙都子)
 
粋に立ち飲み、10種類
田中勝幸さん
 東京・下北沢の「BEAR POND ESPRESSO(ベア ポンド エスプレッソ)」は開店直後から、ガラスの引き戸を開けて客が次々と入ってくる。メニューは10種ほど。駄菓子屋だった場所を改装した小さな店にはいす席もあるが、客の多くはカップを片手に立ち飲みを楽しむ。

 店主の田中勝幸さん(52)=写真、松岡誠太朗撮影=が約20年のニューヨーク生活で、豆の品質を重視したコーヒー店の出現に気づいたのが出店のきっかけだった。豊富な知識を持ち、市場に数%しか流通しない上級豆の持ち味を引きだすエスプレッソの専門職「バリスタ」の姿に魅了された。一日に何度も店に通うこと数年。ついに07年、通いつめた店で修業を始めた。技術や豆の知識を徹底的に習得し、帰国して今年7月に店を開いた。

 人気のエスプレッソは「口にした瞬間が楽しい」と田中さん。スパイシーな味とチョコレートのような濃厚な苦みが瞬時に広がる。飲み干した後には甘みを感じるなど、味に複数の展開があるのが田中さんが考える「魅力あるエスプレッソ」だ。通勤途中に毎朝立ち寄るという簑輪哲司さんは「コクのある味がくせになって」と話し、「何よりも店のラフな感じが好き」と付け加えた。飲み干してすぐに出ていく客や、持ち込んだドーナツをカプチーノと楽しむ客もいるが、お構いなし。「好きだと思う人が通ってくれればそれでいいかな」と、職人気質のニューヨークスタイルを貫いている。

 ■東京都世田谷区北沢2の36の12(下北沢駅、TEL03・5454・2486)。
 午前9時〜午後6時半。エスプレッソ390円(午後2時まで)など。(火)休み。
 
最高の豆をボトル詰め
川島良彰社長
 小さな引き出しが並ぶ小部屋は常に18度。「コーヒーセラー」にはミ・カフェート社の川島良彰社長(53)が厳選した4カ国・6農園のコーヒー豆「グラン クリュ カフェ」が眠る=写真。「生豆のおいしさを保つ空間です」。受注後に焙煎(ばいせん)し、独自開発のシャンパンボトルに詰めて客へ。「最高の豆を最高の状態で」をモットーにしたサービスだ。この秋、国内線航空のファーストクラスで提供され、話題を呼んだ。

 大手コーヒー会社で世界の農園開発を長年手掛けてきた川島さん。「コーヒーはワインほどの価値があるのに軽視されている」との思いで08年に会社を興した。約2千カ所の農園から選び抜いた特級畑を年2回は訪問し、収穫にも立ち会う。完熟豆の摘み取りや果肉の除去、天日干しなど全工程が熟練労働者の手作業だ。自身の経験で培った技術も伝授する。手間と時間を惜しまず、環境と労働者のことを考えてこそ、本当の素晴らしいコーヒーが生まれると考える。

 自ら選んだ豆は「ストライクゾーンが広く、誰がいれてもおいしい」と川島さん。試飲したグアテマラ産は、味や香りが何段階にも変化し、飲み終えたカップにしっかりと香りが残ると感じた。

 販売は10キロ単位が基本だが、100グラム5775円の単品購入も可能。「特別な日のシャンパンのように今日は『グラン クリュ カフェ』を開けよう。そんなコーヒーの楽しみを広めたい」と話す。

 ■注文は(http://www.grand-cru-cafe.com)か問い合わせは03・5771・4171。
 12月9日(水)〜15日(火)は伊勢丹新宿店、
 16日(水)〜25日(金)は同吉祥寺店でも販売。
 
サンフランシスコの人気店も
「ヒースセラミックス」のオリジナルカップ
 米オークランドで誕生した「ブルーボトルコーヒー」。ワゴン販売から始まり、そのおいしさでサンフランシスコ市内に数店を設けるまでに成長した同店が10月下旬、東京・渋谷に初展開。セレクトショップ「オープニングセレモニー」地下のレストラン「ポットラック」で、本店のメニューが楽しめる。焙煎後48時間以内に豆を使い切るなど本店と同じ味を追求。米西海岸の陶器メーカー「ヒースセラミックス」のオリジナルカップに入れて提供する=写真。カフェラテ(520円)の筒状のマグカップは、香りを存分に楽しめるように工夫した。
 ■西武渋谷店 モヴィータ館地下1階(渋谷駅、TEL03・5456・7586)。
 午前10時〜午後11時。
 
 
(2009年12月1日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
 
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