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2012.5.11(金)更新  まちあるき/日仏の情緒 薫る街
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神楽坂イラスト
 60年前にフランス政府の公式機関「東京日仏学院」が置かれた東京・神楽坂は、多くのフランス人やフランス好きを招き入れます。本国を思わせる店や施設が点在し、石畳や細い路地が連なる「プチ・フランス」を歩いてきました。

食や文化、路地に共存
  「神楽坂は、老舗の料亭といった日本の伝統とフランス文化が共存する街」。20年間のフランス滞在経験を著したエッセイストで、25年ほど前から神楽坂に住む吉村葉子さんの印象だ。

 吉村さんは、パリの路地裏の喫茶店を再現したというジョルジュ・サンドを営む。豚肉のパテなどのサンドイッチやマドレーヌが主なメニューだ。

 「街並みに残る江戸情緒や、それを守ろうとする住人の気風がフランス人をひきつけるのかしら」と吉村さん。「彼らも自分の街を大切にするの」

ジョルジュ・サンド
吉村葉子さん(左)とL・ベルトランさん
=ジョルジュ・サンド
 吉村さんの友人のラーシェ・ベルトランさんも、神楽坂の情緒にひかれてクレープ料理店ル ブルターニュを1996年に開いた。そば粉で作る生地に生ハムやチーズを包む伝統料理「ガレット」を紹介した当時、日本でクレープといえば小麦粉を使った甘い菓子。故郷の味を知ってもらおうと腐心した。

 フランス料理店レストランかみくらは築50年超の日本家屋で営業(予約制)。「和と洋がミックスされた街の雰囲気に合うように」(運営する文商事の渡辺さとしさん)と、みそやわさびを隠し味に使った、箸で食べられる料理を提供する。

 チーズ専門店のアルパージュには、常時約250種がそろい、約8割がフランス産。チーズをその場で切り売りする方式もフランスと同じだ。 (河瀬久美)

 
本・新聞・雑貨も身近に
 1947年創業のフランス語書籍専門書店欧明社は、飯田橋の本店のほか東京日仏学院内にも店舗を構える。同学院で使用するテキストや、本国の本や雑誌、文具などを扱っている。

欧明社・日仏学院店
店の外観はパリの書店がモデル
=欧明社・日仏学院店
 フランス人は客の3分の1ほど。同学院で行われる講演会や映画上映会に訪れたついでに立ち寄る日本人も多く、新聞や絵本を興味深そうに手に取っていた。希望により、本国からの取り寄せにも応じる。

 神楽坂に編集部を置いて本国の情報を発信するフリーペーパー「ボンズール ジャポン」は昨年4月、雑貨店ボンズール ブティックを開いた。金・土・日曜のみの営業(11〜13日休み)で、本国から買い付けたアクセサリーや洋服などが並ぶ。

 「現地取材の際に、日本にはないフランス雑貨の魅力にひかれてお店を開きました」と編集部員で同店スタッフの後藤ハルカさん(27)。フランス雑貨は、遊び心があるデザインや華やかな色使いのものが多いという。

 語学やアート、食などフランス文化を伝える東京日仏学院は創立60周年を記念し、5月13日までイベントを開催中。フランス語の無料体験レッスン(予約制)やフランス人グループによるマジックショーなどが楽しめる。 (永井美帆)

(2012年5月11日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください。)
 
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