伝統的な製法で珍しい「黒ごま油」(280グラム5775円)を作る鹿北製油は、ゴマ畑と山に囲まれている。現在、流通するゴマ油は、ほとんど全てが白ゴマの油。代表取締役の和田久輝さんによると、黒は白に比べて油分が少ないので生産効率が悪いが風味が柔らかく、匂いもきつくないので、野菜ジュースなどにたらしてもおいしいという。
県内の契約農家で作った自然農法の黒ゴマを、薪を使って鉄釜で焙煎する。木桶で蒸した後は、明治時代に作られた玉搾り機=写真上=でじっくりとしぼる。その油を沈殿させ、和紙で数日かけて濾過(ろか)する。25キロのゴマからとれる油は、わずか6キロ。9月から、新物が出始める。
この「黒ごま油」を使ったのが、カレーテリア沙羅の「鹿児島黒カレー」=写真下=だ。さまざまな「鹿児島の黒い食材」を試した結果、黒豚、黒ゴマ油、黒酢、竹炭の4つが残った。「竹炭がスパイスを吸収するので、口当たりはまろやかで、あとから辛さが来る」と店長の大重龍三さん。黒酢が味を引き締め、黒豚の甘みが引き立つ。
伝統工芸の世界でも、新たな「黒」が生まれた。「薩摩びーどろ工芸」は、金赤、黄色、緑などで知られるガラス製品の薩摩切子で「黒」の製品を3月から発売している=
写真。「鹿児島に縁の深い色を」と半年かけて開発。酸化銅などを使い、漆黒のガラスを作り上げたが、他の色と違って全く光を通さないため、ガラスに切り込みを入れるのは職人の勘のみが頼り。そのため、かかる時間や商品のロスも桁違いに多く、受注生産のみで対応している。
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◆繊細なカットが美しい
(左)ビアグラス8万1900円
(右)タンブラー7万3500円
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