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2004.4.8(木)更新  民族楽器の旅
 
民族楽器の旅    タブラ(インド)  
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打ち、こすり、20の音色

 カーンという甲高い音。トン、テンという軽い音。シュルシュルという摩擦音。ドゥーンと響く低音。ビートルズのアルバムにも登場した打楽器タブラは、多彩な音色でジャズ、ロック、ポップスなどさまざまな音楽に自在に溶け込む。
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 イスラム勢力がインド支配を始めた13世紀以降、宮廷で栄えた北インド古典音楽の楽器として誕生したと言われる。
 右手でたたく小さい方を「タブラ」、左手でたたく大きい方を「バヤ」、二つ対になったものも「タブラ」と呼ぶ。
 どちらも打面にはヤギのなめし革が使われているが、胴体の素材は異なる。タブラは紫檀(したん)などの木をくりぬいたもので、3〜4キロあってずっしりと重く、人さし指、中指、薬指や手のひらを使って高音を奏でる。バヤは鉄や銅、アルミなどの金属製で、手のひらの付け根を押し付けたり擦ったりして、不思議な余韻のある低音を生み出す。
 打面中央の黒くて丸い部分も特徴。マンガンとでんぷんを練り合わせたものが塗りつけられ、これが打面の振動に影響し、変化に富んだ音を生む。
 20種類近くあると言われる音には、それぞれ「ナァ」「ディン」「キタ」「ダァ」などと名前がついている。奏者は師匠の演奏を少しずつ模倣しながら、その名前の連続を歌のように覚えていく。打法や打つ場所の違いでさまざまな音が出るため、世界で最も演奏が難しい打楽器とも言われる。

◆「インド古典パーカッション 超絶のリズム」
 北インドのタブラ奏者ザキール・フセインが、南インドの打楽器奏者3人と共演したCD。ザキール自身による英語解説付きのデモンストレーションも収録。2000円。

提供
世界の民族音楽CD
カルタコム

◆スパニッシュ・コネクション「陽光(ひかり)の街」
スパニッシュ・コネクション「陽光(ひかり)の街」  フラメンコギターの伊藤芳輝、バイオリンの平松加奈、タブラの吉見征樹のトリオによる最新アルバム=写真。1曲目「インディアン・ナイト・トレイン」は吉見の作曲で、タブラの音色を存分に堪能できる。3045円。4月21日発売。

◆吉見征樹ライブ情報
 4月20日(火)午後7時半、東京都渋谷区猿楽町のRISTORANTE ASO(代官山駅、TEL03・3770・3690)。津軽三味線の佐藤通弘、通芳のライブ「THE Tugaru」に出演。7000円(ウエルカムドリンク付き)。
 5月2日(日)午後7時半、東京都世田谷区代沢5丁目のLADY JANE(下北沢駅、TEL03・3412・3947)。高木潤一(ギター)、太田恵資(バイオリン)とのトリオ「MASARA」として出演。2835円(ドリンク代別)。
 6月10日(木)午後8時、東京都港区南青山5丁目の青山CAY(表参道駅)。スパニッシュ・コネクションの新アルバム発売記念ライブ。4000円(ドリンク代別)。チケットは4月11日から発売。問い合わせはラ・ジュテ(TEL03・5468・6924)。


◆J.I.N. Music Association
 東京都杉並区上荻1丁目のJ.I.N. Music Association東京教室(荻窪駅、TEL03・3391・0963)。講師は10年間のインド音楽留学の経験を持つ中村仁。シタール、タブラ、イスラジを個人レッスンで教える。平日午後の週1回で月謝1万円。楽器の無料貸与あり。練習見学、体験入学もできる。


◆はるばる屋
 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目のはるばる屋本店(吉祥寺駅、TEL0422・21・4790)。アジア各国の雑貨や衣服を販売。タブラなど楽器類は在庫切れの場合もあるので問い合わせを。インドからは3カ月に1度入荷があるため、前もって予算を伝えて入荷してもらうこともできる。午前10時〜午後8時。第3(火)休み。インターネットでの販売も(http://www.harubaruya.com)。


◆即興演奏
 北インド古典音楽には楽譜はなく、メロディーの規則「ラーガ」と、リズム周期の規則「ターラ」に従って、即興で演奏される。ゆったりしたテンポから次第に加速し、歌なども交えた素早い演奏でクライマックスを迎える。

◆チューニング
 小さい方のタブラは「ハトリ」と呼ばれる金属製のハンマーで音を微調整する。演奏中もハトリでタブラの縁のあたりをトントンたたいてチューニングすることがある。

◆ベビーパウダー
 タブラ奏者の必需品。演奏中の汗止めと湿気防止のために、指先、手のひら、手首に付ける。また、ケースにしまう時は防湿剤や防虫剤を入れるといい。

吉見 征樹

巨匠に手紙で弟子入り懇願
吉見 征樹

奏  インドに送った1通の手紙が、タブラ奏者としての大きな一歩となった。
 あて先はムンバイに住むアラ・ラカ。シタール奏者ラビ・シャンカールとともに世界各地で演奏したタブラの巨匠だ。修業への熱意を英語でストレートにつづった手紙に心動かされたのか、吉見はアラ・ラカから「インドに来なさい」という直筆の返事をもらう。87年、インドに渡り、師匠アラ・ラカの下での修業をスタートした。
 弟子のほとんどはインド人だった。なぜか気に入られた吉見は、週2回のレッスン以外にもアラ・ラカの家に招かれてたびたび教えを受けた。教えられた通りの音が出せないとキッと怖い目つきでにらまれた。教わった音色を確実に出せるようにならなければ、新しいことは教えてもらえない。毎日10時間近くを練習に費やした。
タブラとの出合いは、バンドのギタリストとしてプロデビューを夢見て活動していた20代半ばのことだった。ジャズギタリストのジョン・マクラフリンが結成したユニット「シャクティ」のCDで、タブラの音色を初めて聴いて衝撃を受けた。奏者はアラ・ラカの息子、ザキール・フセイン。アラ・ラカが他界した今も、兄弟子であるザキールとの交流は続いている。
 4度にわたるインド修業を終えてからは、日本で数少ないタブラ奏者として、ジャンルを超えた活動を続けている。
 「タブラはまさに自分の鏡。言葉以上に自分の気持ちを表現できる」
 タブラを始めて20年。吉見の魂が込められた「ダァ」の音は、年を重ねた分だけ深いものになってきているようだ。


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●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
(2004年4月8日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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