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2004.8.5(木)更新  民族楽器の旅
 
民族楽器の旅 チャング(朝鮮半島) 
  
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踊り一体で、音降り注ぐ

 チャングの演奏は、踊りと切り離せない。特に目を引くのは、サンモという帽子。てっぺんに付いた2メートルはあろうかというリボンが、頭の小さな動きだけで、前後左右に弧を描くようにくるくる回る。右手にムチのようなバチ、左手に太いバチを持つが、左右の手がそれぞれ違う動きで打面をたたき、左手のバチは、時に右面も打って素早く往復する。動きに耐えるよう、チャングは左の腰にしっかり固定してある。その間も軽いステップを踏み、体を回転させる。激しい動きに、数分で演奏者の顔が赤黒く染まる。
約30秒、3M
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(Quicktime)
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 チャングは砂時計のような形をした両面太鼓。木をくりぬいて作った胴体の左右に皮が張ってあるが、それぞれ素材や厚みが違う。

 リズムは特徴のある少し前のめり気味な3拍子。そこへ、たたく面やたたき方でそれに幅広い音色を乗せ、少しずつ変化させながら、絶え間なく音を降り注ぐ。

 チャングを鳴らすと雨が降ると言い伝えられている。もともと五穀豊穣(ほうじょう)を祈る農楽、先祖を祭るプンムル(風物)で親しまれてきた。衣装も陰陽五行の思想を表した赤、青、黄、白、黒の5色を使う。朝鮮半島では今でも人が集まる席などには、チャングがどこからか出てくるという。農民や庶民に愛された、人々の喜びやうれしさを表す音なのだ。


◆「ノンサッチ・エクスプローラー−『韓国』サムルノリ」(写真)
 サムルノリ(四物遊撃)とは、朝鮮半島に古来より伝わる4種の打楽器ケンガリ、チン、チャング、プクによる打楽器の合奏のこと。78年に韓国で金徳洙らを中心に結成されたグループ名から始まった。グループ名を冠したこのCDで、世界的に「サムルノリ」の名前を知らしめた。4曲。1260円。

上記CDを5人にプレゼントします。
応募は8月12日まで。

応募

提供
世界の民族音楽CD
カルタコム

◆チャンゴライブ
 8月29日(日)、午後1時半〜3時、東京都江東区大島8丁目の江東区東大島文化センター4階レクホール(東大島駅、TEL03・3681・6331)。和太鼓、チャング奏者の関口範章、コリアン舞踊家の柳京華、チャンググループノリマダンによるライブ演奏。無料▼10月22日(金)、午後7時半、杉並区西荻北2丁目のライブハウス音や金時(西荻窪駅、TEL03・5382・2020)。関口範章と柳京華によるライブ「コリアン・フュージョン’04」。チャージ2000円。


◆康明洙・チャング教室(写真)
 東京都文京区湯島2丁目の労音お茶の水センター(御茶ノ水駅)。チャングを中心とした韓国の基本のリズム及びサンモ、サムルノリ、プンムルが学べる。レベル別のグループレッスン。入会金8000円〜。月4回1万円〜。高校生以下は半額。詳細はホームページ(http://www.fan.hi-ho.ne.jp/t-myungsoo/)を確認。楽器の販売も。

◆金徳洙 チャンゴ ワークショップ
 8月22日(日)〜25日(水)、東京都千代田区猿楽町2丁目のYMCAアジア青少年センター(水道橋駅)。初級は午前11時〜午後3時、基本的なリズム、打法を学ぶ。中級は5時〜9時、チャングだけで演奏するソルチャングの技法を学ぶ。いずれも定員30人。要予約。問い合わせはプラネットアーツ(TEL03・5428・3211)。


◆貞洞(チョンドン)劇場
 ソウル市中区貞洞にある韓国の伝統文化の発展と普及のために95年に建設された劇場。チャンゴ教室のほか、サムルノリ、パンソリなどの伝統公演も随時行っている。

◆チャングとチャンゴ
 以前は漢字表記の「杖鼓」から「チャンゴ」と呼ばれていたが、近年は「チャング」が主流になっている。ハングル独自の言葉、との認識からこのような傾向にあるともいう。民間に根ざした楽器のため、各地方によって様々な名称がある。康氏が代表を務めるチャンググループ「アンデミ・ノルムセ」のアンデミはチャングの方言だ。ノルムセは腕前がいいと言う意味。

康明洙

見つけた「ルーツ」広めたい
康明洙(カン ミョンス・41)

奏  在日韓国人とはいうものの、康とチャングとの出合いは遅かった。楽器の名前は知っていたが、25歳の時知人に誘われ、韓国の打楽器楽団「サムルノリ」の来日公演を見たのが初めてといっていい。伝統的なリズムの迫力に圧倒され、「血が騒いだ」。その頃心に懸かっていた「自分のルーツは? 自分は何だ」という疑問に答えを与えられたと確信した。

 それからが早い。サムルノリの創始者金徳洙(キムドクス)氏の日本でのワークショップに参加。それに飽き足らず、苦労して資格を取った整備士の仕事をなげうち、韓国にまで行って弟子入りし、丸4年ほとんど帰国もせずに修行に明け暮れた。

 プロになろうと思っていたわけではなかった。ただ韓国語も話せず、父の遺骨を埋めるため訪れたきりの自分の国のことを知りたい、という一念だった。

 チャングは「自分には必要不可欠なものだったんです」。それを得た今、苦労は多いが、自分の歩むべき道を進めている、との思いがある。そしてこの素晴らしい楽器を広め、金先生から教えられた本当のチャングをより多くの人に知ってもらいたいと願う。


エール 躍動感に魅了

俳優・黒田福美さん  韓国について知りだしたころは、この楽器の魅力が分かりませんでした。けれどいつの間にかこの躍動感のあるリズムが聞こえてくると、内側からふつふつと何かがわき、思わず体が動き出すようになります。演奏に埋没している熱気や、激しいリズムをたたき出す躍動する肉体はいつの間にか観客を魅了し、理性を失わせるようなところがあると思います。


 これまでのコラム
 
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
 ●タブラ(インド) 吉見 征樹
 ●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
 ●ケーナ(ペルー) 田中 健
 ●ジェンベ(マリ) 池田 正博
 ●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
 ●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
 ●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
 ●ウクレレ(米国) 高木ブー
 ●津軽三味線(日本) 上妻宏光
 ●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
 ●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
 ●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
 ●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
 ●ウード(チュニジア) 常味 裕司
 ●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
 ●ジェゴグ(インドネシア) スアール・アグン
(2004年8月5日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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