「森の湖の国」の伝説奏で
キラキラした水面を見るような涼しさを感じさせる音色のカンテレ。「森と湖の国」フィンランドに、2000年前からその原型はあった、という。
フィンランドの国民的叙事詩「カレワラ」によると、老賢者ワイナミョイネンが、大カマスのアゴの骨を枠に、馬の毛を弦にして作ったものという。彼がカンテレを奏でると国中の人々が眠りに落ちた、との伝説もある。
翼型の共鳴箱に弦を張ったカンテレは、現在は5〜39弦まで大小さまざま。弦はスチールが主で、原型となった5弦のものは、1本の木をくりぬいて作られている。見た目は琴に近く、指で弾く様子は横倒しにしたハープのようだ。フィンランドの小学校などでは、今も音楽の授業に使われる。20弦以上の大きいものは、木の板を組み合わせた箱に弦を張り、消音機能や半音操作ができるレバーを持つ。多様化した現代の音楽に合わせた変化を今も続けている。
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オルゴールのような、ハープのような、繊細で多彩な音色や響きは、家庭や自然の中で歌やダンスの伴奏として、即興的な演奏に欠かせない楽器として親しまれてきた。フィンランドの歴史を語る楽器として、またクラシックなどの独奏楽器としても愛されている。
◆リトゥバ・コイスティネン「白夜の響き−−神秘の楽器カンテレ」(写真)
カンテレ製作の名工の父を持ち、7歳からカンテレを学び始めた第一人者といわれるリトゥバが「朝に目覚める時」「愛しい人のポルスカ」「教会の鐘の音」といった民謡、舞曲など全18曲を。2100円。
上記CDを5人にプレゼントします
応募は9月2日まで

提供
 カルタコム
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◆はざた雅子「カンテレII」
フィンランドの風景や生活、人々とのかかわりの中で感じたものから、はざた自身が作曲した「夜明け」「雪の上の足跡」など全15曲を。2625円。問い合わせはサン パウロ(TEL03・3359・0451)。
◆北欧音楽祭すわ
10月22日(金)〜25日(月)、長野県下諏訪町の下諏訪総合文化センター(下諏訪駅)。
諏訪とゆかりが深い指揮者の故渡辺暁雄が愛した北欧音楽について、「生活の中に音楽を」をコンセプトに99年から行われている音楽祭。
22日午後3時、「親と子どものためのコンサート」と題し、はざたが「カレリアの丘」「フィンランディア」などを。無料(要整理券)▼23日(土)6時、若手バイオリニスト島田真千子を迎え、諏訪交響楽団の定期演奏会。1000円、高校生以下500円▼25日7時、「吉野直子ハープの夕べ」。1500円、高校生以下500円。ほかに講演会や展示なども。 問い合わせは、実行委(TEL0266・28・0018)へ。
◆ムーミンベーカリー&カフェ
東京都文京区春日1丁目(後楽園駅、TEL03・5842・6300)。フィンランドで生まれたキャラクター、ムーミンをモチーフにしたカフェ。家庭料理として親しまれるサーモンとジャガイモの重ね焼き「サーモンプディング」(写真、945円)などの料理や、フィンランドビール「ラピンクルタ」(735円)。
午前11時〜午後11時((土)は10時から、(日)・(祝)は午前10時〜午後10時)、ベーカリーは午前10時〜午後9時半。
◆キッピス!
東京都杉並区永福3丁目(西永福駅、TEL03・5376・2531)。ラップランド地方とカレリア地方の料理を提供する店。代表的家庭料理「シーラッカエチカ(ニシンの酢漬け)」(809円)、季節の野菜にカッテージチーズをかけたサラダ「スオミサラーティ」(788円)などや、ディナーコース(3150円、5250円の2種、3日前までに要予約)。ベリー系のフィンランド産リキュール6種も(1ショット700円)。
午後6時〜午前0時((日)・(祝)は10時まで)。(月)休み。
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探していた音に出会った
はざた雅子(47)
子どもの頃からピアノや琴を習い、琴は名取の腕前だった。ところが30歳を前に、フィンランド旅行中に初めてカンテレを習い、白夜の教会に差し込む陽の光の中で聞いたその幻想的な音色に、「自分が求めていた音に巡り合えた」と感じた。
日本に帰り独学で勉強したが、もっと上手に弾きたいという思いが強くなり、フィンランドに留学。大学でカンテレなどを学びながら、「カエンピーカ」というグループで演奏活動を行い、気付くと6年以上もフィンランドで過ごしていた。
帰国後、ソロ演奏をするうち、「弾くことが幸せ」だったはずが、いつの間にか「舞台が緊張と孤独と恐怖の場所」になっていた。趣味としてカンテレを弾こうと決心すると、頭の中に曲があふれ、オリジナルを作るようになった。
太陽が一日中昇らない季節でも黙々と暮らしを営むフィンランドの人々への思い、初めてオーロラを見たときの驚き、友人を励ます言葉が浮かばなかった時のこと。そんなことを思い出すと、自然に曲が生まれてくる。
この音色を好きになってくれる人たちに支えられながら、自分の大好きなカンテレのやわらかな音色を日本にも広めていきたい、と教室も開いている。
エール 森の空気感じる
参議院議員・ツルネン・マルテイさん
森と湖の国で生まれたカンテレはどこか日本の琴の音に似ている。その響きが私に、湖面を渡るさざ波や木立を抜ける風の音、鳥のさえずり、カッコウの声を運んでくる。明るい夏、厳寒の冬、森が黄色に染まる秋。遠く離れた両国だが、四季への共感を強く感じる。母国カンテレの音色がいっそう鮮やかだ。こんな文化の共有を、はざたさんには演奏で多くの人に伝えてほしい。
これまでのコラム
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
●タブラ(インド) 吉見 征樹
●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
●ケーナ(ペルー) 田中 健
●ジェンベ(マリ) 池田 正博
●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
●ウクレレ(米国) 高木ブー
●津軽三味線(日本) 上妻宏光
●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
●ウード(チュニジア) 常味 裕司
●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
●ジェゴグ(インドネシア) スアール・アグン
●チャング(朝鮮半島) 康明洙
●スチールドラム(トリニダードトバゴ) カリビアン・マジック・スティール・ドラム・オーケストラ
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