廃絶の危機越え現代に
長さ一尺八寸(約54センチ)の竹の筒。だから尺八。名前の由来も形もシンプルだ。真竹の根を使い、表に四つ、裏に一つ穴がある。中は節を抜き漆を塗る。吹き口は半円形に削っただけなので、初心者はまず音を出すことが難しい。
天然の竹そのままなので、同じ音を出すにはあごの角度などで奏者が調節するしかない。しかし奏者の技量によって、澄んだ音から、柔らかく太い音まで、多種多様な音が出せる。「ムラ息」と呼ばれる奏法では、わざとかすれた音を出し、曲中で効果的に用いる。「コロコロ」という細かな音の上下や、ビブラートなどの表現もある。
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日本には中国から奈良時代に伝来したが、現在の尺八の原型は江戸時代にできた。尺八といえば虚無僧を思い浮かべる人も多いだろう。これは幕府の保護を受けた禅宗の一派・普化宗の僧、虚無僧だけが吹くことを許されたことによる。明治に入って旧来の特権が見直される中で、虚無僧の活動も禁じられ、尺八そのものも廃絶の危機に陥ったが、尺八奏者たちは琴、三味線との「三曲合奏」の形で、家元制を取り入れ生き残りをはかった。その後趣味として徐々に浸透、現在は民謡や演歌でも使われ、海外にも愛好者が多い。
◆「WHEN THE FUTURE LOVES THE PAST−−未来が過去を愛するとき」(写真)

昨年リリースされたデーモン小暮閣下のアルバム。全編を通して尺八、笙(しょう)、三弦(さんげん)などの邦楽器が彩る。三橋貴風(尺八)、友吉鶴心(薩摩琵琶)、サウンドプロデュースに岡村靖幸らが参加。3059円。
◆「琴古流尺八名曲集−−ビクター邦楽名曲選」(写真)
人間国宝・山口五郎と青木鈴慕の演奏。「巣鶴鈴慕」「虚空」など琴古流の5曲を収録。2625円。
上記CDをBMGファンハウス(上)、世界の民族音楽CD通販カルタコム(下)から各5人にプレゼントします
応募は10月7日まで
「WHEN THE FUTURE LOVES THE PAST −−未来が過去を愛するとき」

「琴古流尺八名曲集−− ビクター邦楽名曲選」

提供
 カルタコム
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◆き乃はちソロアルバム「粋−−IKI」(写真)
11月10日(水)発売。現代音楽とのアレンジ11曲。2940円。問い合わせは日本ソフトサービス(TEL03・5475・6913)。
▼10月15日、29日の(金)、午後7時、目黒区の都庭園美術館「月の宴」に出演。4000円(ワンドリンク付き)。問い合わせはキャピタルヴィレッジ(TEL03・3478・9999)。
◆金子朋沐枝ライブと教室
10月31日(日)午後7時、横浜市中区元町2丁目の日本茶専門店茶倉(元町中華街駅、TEL045・212・1042)。オリジナル曲に尺八をアレンジ。出演はNayu(ボーカル、キーボード)、秋元カヲル(ギター)。金子はゲスト参加。2ステージ制。3500円(茶、菓子付き)。要予約。
金子が在住する神奈川県相模原市と埼玉県の行田市内で尺八教室も。詳細は問い合わせを(TEL042・754・5400)。
◆邦楽ジャーナル倶楽部「和音」
東京都荒川区東日暮里6丁目、日暮里駅前ビル5階(日暮里駅、TEL03・5850・8033)。
邦楽専門のライブハウス。邦楽ライブのほか、洋楽器とのアレンジ、民族音楽なども楽しめる=写真。都内でも珍しい黒ビール「マーフィーズ」(450円〜)、月替わりのオリジナルカクテルなど。スタジオ利用も可。午後6時〜11時半。(水)休み(ただし第2、4(水)は邦楽教室を開催)。
◆「はじめての尺八」
善養寺惠介著。尺八の名称や取り扱い、音の出し方など、尺八演奏の基本を解説。つまずきやすい問題点や、尺八の歴史、流派などについても紹介。一尺六寸管と一尺八寸管の2種類で「ほたるこい」「竹田の子守唄(うた)」「コンドルは飛んで行く」などポピュラーな練習曲を収録したCD付き。
B5判、80ページ、3675円。問い合わせは音楽之友社(TEL03・3235・2111)。
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古典曲に学ぶ邦楽の「間」
金子 朋沐枝(33)
10歳の時、愛好家だった父について琴古流尺八の門をくぐった。「シンプルな分、ほかの楽器にできない演奏ができる」とその音色に魅せられ、ついには東京芸術大で尺八を専攻、女性で初めて大学院を修了した。歴史的にも数少ない女性奏者である。
琴古流は、尺八のために書かれた曲、「本曲」を中心に演奏する流派。金子は、元々女性が少ない世界で、さらに古典曲を好んで演奏する。と書くとお堅い女性を想像してしまうが、本人は冗談を連発し、至って気っぷのいい、現代の女性だ。
旅が好きで、尺八を携え、テントや車で野宿もする。訪れた自然の中で、一人尺八を奏でたりする。「音楽家」としてよりも、1人の人間として、いろいろな人や物事に接したいのだ、という。
尺八奏者として生活するために、洋楽や舞台などの仕事にも参加するが、やはり心は古典にある。「日本の伝統音楽ならではの独特の間、邦楽曲の感覚が体に染み込むまでには長い時間がかかる」という。繰り返し演奏する曲の中から、邦楽曲のリズム、作曲当時の空気や歴史までも読みとっていく。それを極めていくことに、今は喜びを感じている。
エール 孤高かつ柔軟
アーティスト・デーモン小暮閣下
聖飢魔II時代から日本の伝統文化と共演し、琴古流奏者の三橋貴風氏と共に「邦楽維新コラボレーション」の舞台を20回継続中だ。歴史的に独奏が中心だった尺八は孤高の印象だが、音楽的には柔軟で、他流試合にも向いた邦楽器だ。いかに現代の「活きた音楽との交響」ができるか、外の視点から料理する者として、今後も邦楽エンターテインメントのセンスの良い可能性を追求していきたい。
これまでのコラム
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
●タブラ(インド) 吉見 征樹
●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
●ケーナ(ペルー) 田中 健
●ジェンベ(マリ) 池田 正博
●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
●ウクレレ(米国) 高木ブー
●津軽三味線(日本) 上妻宏光
●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
●ウード(チュニジア) 常味 裕司
●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
●ジェゴグ(インドネシア) スアール・アグン
●チャング(朝鮮半島) 康明洙
●スチールドラム(トリニダードトバゴ) カリビアン・マジック・スティール・ドラム・オーケストラ
●カンテレ(フィンランド) はざた雅子
●マリンバ(グアテマラ) 小竹 満里
●バンドネオン (アルゼンチン) 小松 亮太
●ドンブラ (カザフスタン) アイティムラティ・トルハリ
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