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2004.11.18(木)更新  民族楽器の旅
 
民族楽器の旅 ダルブッカ(エジプト)
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砂漠彩る打楽器の華

 酒杯をかたどった片面の太鼓で、中東、北アフリカのイスラム地域に分布する、アラブ音楽には欠かせない楽器だ。日本では「ダルブッカ」または「ダラブッカ」「ダラブカ」と呼ばれることが多いが、エジプトでは「タブラ」が普通。トルコでは「ドュンベレキ」とも。名前ひとつとっても、多くの国々で親しまれてきた楽器であることがわかる。
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 起源は古く、古代ペルシャで発明されたと言われる。本来は素焼きの陶器製で、「土(粘土)」を「水」でこねて「空気」で乾かし、「火」で焼くので、万物の四元素を象徴するとされた。打面には羊やラクダの皮、エイやサメなど魚の皮を張る。

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 脇に抱え、両手の薬指から小指を主に使ってたたく。明るく乾いた、どこか繊細な音色。くびれた胴の形が、縁の澄んだ高音と、中央部の低音の変化を生む。底が抜けていて、音量にも幅があり、多彩な音色が出せる室内楽向きの楽器といえる。

 素焼きの胴や魚の皮は扱いが難しいので、現在ではアルミニウム製の胴にプラスチックの打面のものが主流になった。小ぶりな太鼓だが、持ってみるとずっしり重い。胴には金、銀や動物の骨の象眼、らでんなど、地域によって様々な装飾が施される。

 宮廷音楽や民謡、現在では祝いの場やベリーダンス・ショーの伴奏として活躍することが多い。ショーではダンサーと1対1の掛け合いも見せ場。姿も美しい、アラブ打楽器の花形だ。

 


◆「エジプトの音楽−−ナイルの調べ」
 エジプト国立アラブ音楽アンサンブルによる中東、北アフリカの歌謡曲や楽器の独奏など6曲。2000円。
「エジプトの音楽−−ナイルの調べ」の
CDを5人にプレゼントします。
応募は11月25日まで

応募

提供
世界の民族音楽CD
カルタコム

◆「the drummers of the nile」
 マハムード・ファドルとカミーシ・ヒンキーシのダルブッカ演奏。ヌビア地方からカイロまで、その土地独特のリズムが聴ける伊藤お薦めの1枚。輸入盤。オープン価格。問い合わせはポップビズ(TEL03・3478・4391)。  

◆「TERRAPIN2」(写真)
 ウード奏者の佐藤圭一が率い、伊藤が参加する楽団「TERRAPIN」にダンサーのネニュファーを加えたユニット「おしゃれジプシィ」のアルバム。民族音楽にジャズ、ロックなど様々なカラーが混在する10曲。2800円。
「TERRAPIN2」のCDを5人に
プレゼントします。
応募は11月25日まで

応募

 


◆伊藤アツ志ライブ1
 12月2日(木)午後8時、横浜市中区蓬莱町3丁目のレイジーボーンズ(関内駅、TEL045・261・5040、http://www.lazybones.jp/)。ジャズやカントリーなど幅広いライブが楽しめるバー=写真。今井“ドラゴン”龍一(ウード)、ネニュファー(ベリーダンス)との共演。2500円。要予約

◆伊藤アツ志ライブ2
 12月17日(金)午後8時半、9時半、東京都新宿区四谷荒木町のシェヘラザード(四谷三丁目駅、TEL03・3351・9957、http://www.scheherazade.jp/)。常味裕司(ウード)、マハ(ベリーダンス)と共演。定員30人程度。3500円(1ドリンク付き)。要予約。落ち着いた雰囲気でベリーダンスを楽しめるライブハウス。毎週(水)(木)(金)はショーを実施=写真


◆通販サイト エマズ・マーケット
 中東から西アジア、地中海の民族楽器を中心に輸入販売。ダルブッカはエジプト、トルコなど各地の物が1万円前後から。問い合わせ・注文はファクスかEメールで(http://www.emmaz.net/、FAX046・873・4797、info@emmaz.net)。

◆教則ビデオ「上田の楽しいダラブッカ教室!」
 6人の男性奏者で構成する日本初のダルブッカユニット「タブラ・クワイエサ」を主宰する上田トモヒサが、初心者向けに持ち方や基本のリズムなど順を追って解説。2500円。問い合わせ・購入はEメールで(http://www.kwaiesa.netinfo@kwaiesa.net)。

伊藤 アツ志

場を盛り上げる楽しさ
伊藤 アツ志(42)

奏  ドラマー、パーカッショニストとして十代の頃から活動し、8年ほど前に、アラブ音楽に造詣(ぞうけい)の深い友人を得て、ダルブッカに「はまった」。

 都内に住むモロッコ人の先生につき基礎を教わった。先生と訪れた9月のカイロやチュニスは結婚式のシーズン。ダンサーがよばれ、楽団の生演奏で参列客も踊る。伝統的な音楽が、今も生活の中に生きていた。

 愛用のダルブッカは、その時カイロで一目ぼれした「ふたり」。名前もつけて大切にしている。青い胴にらでんが施された「ファティマちゃん」と、幾何学模様がサッカーボールに似た「カルチョくん」だ。

 「アラブ音楽の楽しさを、もっと日本の人にも知ってもらいたい」という伊藤。この10月に講師として参加した世田谷美術館のワークショップでは、参加者に高校生が多いのに驚いた。勘が良く、熱心な反応がうれしかった。ライブではリズムの解説をしながら、自分でも踊ってみせる。「ダルブッカ奏者には目立ちたがりが多い。でも目立ちつつ、ダンサーや場を盛り上げるのが好きなんです」。


エール 大好きな独奏

早稲田大学教授・吉村作治さん
 エジプトの音楽は心に響き、哀愁が感じられる。38年前にエジプトに初めて行った時、西洋の音楽よりもむしろ我々東洋の音楽に近いものだと感じた。お祭りの時は歌手が楽団を引きつれて一晩中演奏する。中でもひときわ目立ち、かつ音楽を引っぱっていくダルブッカ。独奏では、奏者から汗が飛び散るほどで、大好きな場面だ。

 これまでのコラム
 
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
 ●タブラ(インド) 吉見 征樹
 ●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
 ●ケーナ(ペルー) 田中 健
 ●ジェンベ(マリ) 池田 正博
 ●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
 ●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
 ●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
 ●ウクレレ(米国) 高木ブー
 ●津軽三味線(日本) 上妻宏光
 ●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
 ●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
 ●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
 ●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
 ●ウード(チュニジア) 常味 裕司
 ●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
 ●ジェゴグ(インドネシア) スアール・アグン
 ●チャング(朝鮮半島) 康明洙
 ●スチールドラム(トリニダードトバゴ) カリビアン・マジック・スティール・ドラム・オーケストラ
 ●カンテレ(フィンランド) はざた雅子
 ●マリンバ(グアテマラ) 小竹 満里
 ●バンドネオン (アルゼンチン) 小松 亮太
 ●ドンブラ (カザフスタン) アイティムラティ・トルハリ
 ●尺八 (日本) 金子 朋沐枝
 ●タンバリン (イタリア) アルフィオ・アンティコ
 ●シタール (インド) 若林 忠宏
 ●ハルダンゲルバイオリン(ノルウェー) 山瀬 理桜
 ●ひょうたん笛(中国) 伊藤 悟
 ●オカリナ(イタリア) 宗次郎
 ●中国琵琶(中国) ウェイ・ウォン

(2004年11月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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