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2005.3.3(木)更新  民族楽器の旅
 
民族楽器の旅 ニッケルハルパ
(スウェーデン)
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多くの要素吸収し進化

 楽器というより、むしろ機械のような外見。細長い胴の横から鍵盤が飛び出している様は、近未来の雰囲気すら漂わす。最近発明された楽器かと思いきや、実は歴史が古い。スウェーデンの14世紀中頃の教会彫刻にすでにその姿が見られる。    
約30秒、3M
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 中世ヨーロッパ、辻音楽師らが演奏していた楽器ハーディ・ガーディと同じく、キー(ニッケル)でメロディー弦を押さえて音程を作り、それを短い弓で弾く。音はバイオリンより少し高めで、それが二回りほど大きい胴の中で響く。直接弓では引かない共鳴弦などがあるため、同時にいくつものバイオリンをコンサートホールで聞いているような不思議な響きがある。  

   *     *   

地図

 常に民衆のダンスや歌と共にあり、現在も結婚式やダンスパーティーで、スウェーデンの伝統的な舞曲ポルスカなどを演奏する。19世紀初頭にほぼ現在の形になったと言われているが、現在もチェロサイズのニッケルハルパが作られるなど、変化を続けている。  

 他の楽器の利点を吸収し、進化し続ける。多くの要素が一つの楽器に混在するふところの広さが若い世代をも魅了する。


◆「スウェーデンの音楽」(写真)
 ニッケルハルパ、フィドル、アコーディオンなどで演奏された、ポルスカ、ワルツ、ポルカなどスウェーデンの伝統的な舞曲を集めたCD。特に3曲目はニッケルハルパのグループが演奏しており、特徴的な反響のある音が堪能できる。英語解説付き。全25曲。2000円。

上記CDを5人にプレゼントします
応募は3月10日まで

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世界の民族音楽CD
カルタコム

◆ヴェーセン「キード・アップ」(写真)
 グループの名前はスウェーデン語で「本質、精神」といった意味。ポルスカの特徴的な4分の3拍子のうねりのあるリズムが印象的な曲が多い。13曲目の「ニッポン・ポルカ」は、前回来日時の印象から作曲された。全15曲。2415円。


◆北欧家具「スカンディックハウス」
 東京都港区芝5丁目(三田駅、TEL03・5445・1630)。
 スウェーデン家具のショールーム。デザイナーの川上玲子さんが「デザイン性はもちろん、長く使って良さが分かる」もので、日本人の体形にもあう家具を紹介、セミオーダーにも対応している。


◆スウェーデン料理「レストラン ストックホルム」
 東京都千代田区永田町2丁目(赤坂見附駅、TEL03・3509・1677)。
 「バイキング料理」の元になった「スモーガスボード」が楽しめる。ニシンやサーモンなどを使ったスウェーデンの伝統料理を再現し、常時60種類以上をそろえる=写真。スピリッツも各種用意。店ではスウェーデンの文化や、スモーガスボードのマナーなども教えてくれる。
 ランチは午前11時半〜午後3時、3150円。ディナーは5時〜11時、6090円((土)(日)(祝)は4179円、サービス料別)。


◆文庫「ニルスのふしぎな旅」(写真)
 妖精に体を小さくされたニルスは、ガンの群れと渡り鳥のふるさとラップランドを目指して空の旅に。スウェーデンの歴史と地理を背景に少年の成長を描く。セルマ・ラーゲルレーヴ著。全4巻。小学校高学年以上対象。各735円(偕成社)。

ウーロフ・ヨハンソン

探求心で楽器の可能性広げる
ウーロフ・ヨハンソン(39)

奏  「弾ける曲なら500〜600曲くらいはあるんじゃないかな」。ウーロフ・ヨハンソンは、ストックホルムの北にある、ニッケルハルパが盛んなウップランド地方に生まれ、14歳の頃叔父の影響で演奏を始めた。同世代の子供がサッカーやギターに夢中になる代わりに、伝統音楽の世界に飛び込んだ。達人と呼ばれる人たちのコンサートやダンスパーティーの手伝いに連れていかれ、レパートリーを増やした。  

 探求心が旺盛だ。演奏家としてプロになる前エンジニアをしていた彼は、「ものの仕組みに興味を持っている」と、実際にニッケルハルパを自分で作ってみたことも。今回はコンサート前にワークショップも開き、「僕は一度興味を持つと、どんどん背景を知りたくなる。だからみんなもそうだろうと思って」と、楽器の歴史にまで踏み込んだ解説をした。

 ビオラとギター、ニッケルハルパの三つの弦楽器が作り出す新しいハーモニーに魅せられて、アコースティック・トリオ「ヴェーセン」として活動する。伝統曲も演奏するが、ほとんどはオリジナル。中でもポルスカのリズムが印象的な曲が多い。  

 「どんな風にでも変わっていく自由さが好き」。その探求心がニッケルハルパの可能性を広げていく。


エール 風土が育てる

女優・川上麻衣子さん
 ニッケルハルパをちゃんと聞いたのは実は日本でなのですが、私の生まれ故郷スウェーデンの人たちを思わせる素朴な音が印象的でした。
 彼らは歌とお酒が大好きで、親しくなるととても気さくな人ばかりです。お祭りや誕生日というと友人宅に集まって、料理とお酒、そして昔から伝わる歌を年齢に関係なく大合唱。伝統音楽で若い世代が活躍しているのは、そんな風土だからだと思います。

 これまでのコラム
 
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
 ●タブラ(インド) 吉見 征樹
 ●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
 ●ケーナ(ペルー) 田中 健
 ●ジェンベ(マリ) 池田 正博
 ●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
 ●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
 ●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
 ●ウクレレ(米国) 高木ブー
 ●津軽三味線(日本) 上妻宏光
 ●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
 ●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
 ●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
 ●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
 ●ウード(チュニジア) 常味 裕司
 ●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
 ●ジェゴグ(インドネシア) スアール・アグン
 ●チャング(朝鮮半島) 康明洙
 ●スチールドラム(トリニダードトバゴ) カリビアン・マジック・スティール・ドラム・オーケストラ
 ●カンテレ(フィンランド) はざた雅子
 ●マリンバ(グアテマラ) 小竹 満里
 ●バンドネオン (アルゼンチン) 小松 亮太
 ●ドンブラ (カザフスタン) アイティムラティ・トルハリ
 ●尺八 (日本) 金子 朋沐枝
 ●タンバリン (イタリア) アルフィオ・アンティコ
 ●シタール (インド) 若林 忠宏
 ●ハルダンゲルバイオリン(ノルウェー) 山瀬 理桜
 ●ひょうたん笛(中国) 伊藤 悟
 ●オカリナ(イタリア) 宗次郎
 ●中国琵琶(中国) ウェイ・ウォン
 ●ダルブッカ(エジプト) 伊藤 アツ志
 ●バラライカ(ロシア) エフゲニー・ジェリンスキー
 ●三線(日本) よなは 徹
 ●パンフルート(ルーマニア) 野崎ユミカ
 ●カリンバ(タンザニア) ロビン・ロイド
 ●コカリナ(ハンガリー) 黒坂 黒太郎
 ●バンスリ(ネパール) インドラ・グルン
 ●ムックリ(日本) 弟子シギ子
 ●サウン・ガウ(ミャンマー) ウ・テインタン
 ●サバール(セネガル) ドゥドゥ・ニジャエ・ローズ
 ●カホン(ペルー) 仙道さおり
 ●ティンホイッスル(アイルランド) 安井敬

(2005年3月3日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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