
「良いワインはよいブドウから」。こんな理念を掲げ、登美(とみ)の丘ワイナリーの前身、「登美農場」が山梨県に開園したのは1909年。約1世紀を通じて、自家農園での栽培から醸造、熟成、瓶詰まで一貫した工程でワインづくりを続けている。
「ワインはブドウだけで醸造するので、果実の品質が命です」と、栽培・醸造技師の篠田健太郎さん(31)=写真=は話す。乾燥地帯で育つブドウは、湿度の高い気候では病気にかかりやすい。土地に合った品種の選択や土づくり、気象の見極めは欠かせない。製造の過程でも出来や個性によって醸造方法を変えたり、貯蔵樽(たる)を選んだり。おいしいワインを「育てる」には、自然の力、ブドウの力、そして人間の手が必要だ。
同ワイナリーでは、そんなつくり手の思いを聞きながら畑や工場を見学できるツアーがある。「日本のワインの品質の良さをもっと知ってもらいたいですね」。10月3日には、同ワイナリーのブランド「登美」「登美の丘」に続く、国産ブドウ100パーセントのワイン「登美の詩(うた)」が全国販売される。「果実味が強く、日本の食卓に合う味に仕上がっています」と、篠田さんもおすすめだ。

【サントリー登美の丘ワイナリー】
山梨県甲斐市大垈(甲府駅からタクシー)。午前9時〜午後4時40分。(水)休み。ガイドツアー、つくり手とまわるツアー(醸造編・栽培編)、テイスティングセミナーなどを開催。要予約。問い合わせは0551・28・7311。