
生まれ育った東京のことをもっと知りたい−−。
小島富美子さん=
写真=は5年前、そんな思いで江戸東京博物館のボランティアガイドになった。元気なうちに好きなことを、と定年前に勤め先を退社。旅行先のフランスで、美術館ガイドの丁寧な説明に感動した。「私も、小さい頃から見てきた東京のことを、みんなに伝えたいなあと思ったんです」
江戸以降の東京の街並みと人々の暮らしを、復元模型や資料で紹介するこの博物館には、約200人のボランティアガイドがいる。
必要な知識は、週1回の講習を約2か月間受けるが、「お客様に教えてもらうことも多いんです」。母国との違いを教えてくれた外国人観光客、日本橋の柱の装飾について話してくれた大工さん……。経験を通して知識が膨らんでいく。
小島さんのガイドで、三越百貨店の前身、三井越後屋の模型の前に来た。行き来する人形は一人ひとり表情が違う。会話の内容まで想定して作ってあるという。「店の軒先に何かあるのが見つけられる?」。のぞき込んで……あった、ツバメの巣。「千客万来、商売繁盛を願って、大事にしていたのよ」。江戸の庶民の心を、小島さんが教えてくれた。

《メモ》
東京都墨田区横網1丁目(両国駅、TEL03・3626・9974)。午前9時半〜午後5時半((土)は7時半まで)。(月)((祝)の場合翌日)休み。600円、65歳以上300円、学生480円、中高生300円。ボランティアガイドの受付は午前10時〜午後3時。