
部屋いっぱいに丸く並んだ本棚の、カラフルな背表紙。室内にまんべんなく届く柔らかな光。冬にちなむ本が特集展示され、本の世界から飛び出してきたような折り紙や布製の動物が隣に置いてある。小さないすには子どもにまじって大人も腰掛け、ページをめくっている。
正式名を「国立国会図書館 国際子ども図書館」という。物々しい響きとは裏腹に、館内の「子どものへや」は親しみやすい空間だ。読み継がれてきた名著から新刊まで、絵本や物語など約9000冊がそろう。「子どもと一緒になって、夢中で読んでいるお母さんもいますよ」と話すのは、児童サービス課の関口薫さん(35)=写真。貸し出しはしないため、毎日通ってくる年配者もいるという。「私たちもたくさん読んで、本を選ぶ『ものさし』を鍛えています」
児童文学に関する研究書などが集められた資料室は、学術的な利用が中心となる。ほかに児童書を展示するミュージアムや、江戸期の貴重本を電子化したコーナーもある。
明治期の帝国図書館だった建物に手を加え、2000年に開館した。往時の外壁や、修復された壁や天井のしっくい装飾など見どころは多い。いつもと違う環境に刺激されてか、熱心に読書を始める子どももいるそうだ。

《メモ》
【国際子ども図書館】蔵書数約30万冊。東京都台東区上野公園(上野駅、TEL03・3827・2053)。午前9時半〜午後5時。休みは(月)(祝)(休)と第3(水)。資料室は18歳以上が対象で、(日)も休み。大人向けの見学ツアーも((火)(木)要申し込み)。