
皇居の堀沿いの歩道に立ち並ぶ桜の木々。枝は堀に向かい、水辺にしだれるような格好でのびている。満開になったら、どんなにきれいだろう――。
千鳥ケ淵は、都内でも指折りの桜の名所。堀にボートを浮かべ、花見を楽しむ光景が見られる。
「空間に向かって枝を伸ばすのは植物の自然な性質だけど、それがうまく風景と調和して、ここの桜は見応えがあります」と、樹木医の美濃又哲男さん(47)=写真=は話す。
美濃又さんは、緑化コンサルティングの仕事をしながら、樹木の病気予防や保護育成の専門家、「樹木医」の認定を受けた。NPOに所属し、東京・千代田区で桜の景観を守る「さくら再生計画」に携わっている。
千鳥ケ淵は、堀沿いの緑道とその南の公園が桜のスポットだが、今、気にしているのは公園の方。地下にトンネルが通っているため、土が浅く、土壌自体も悪いという。
再生計画が始まって3年半。努力の結果、少しずつだが木の状態は良くなってきている。
桜は、手入れの成果が現れやすい樹木だ。「もともと丈夫で、環境を整えれば、きちんと育つ。素直な木です」

《メモ》
【千鳥ケ淵公園】東京都千代田区麹町(半蔵門駅)。公園の北にある緑道は、花見期間中、ライトアップ(3月23日(金)〜4月1日(日)、午後6時半〜10時)。お問い合わせ先は千代田区のさくらまつりテレホンガイド(03・5211・4338)。