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乾杯 日本ワイン
今週のワイン
源作印ワイン
秩父ワイン
住所 埼玉県両神村薄41
電話番号 0494・79・0629
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源作印ワイン
赤 辛口
720ミリリットル 1000円
源作印ワイン
vol.40 じつに自然で、飾り気なく
イラスト
イラスト・マリオン編集部
 西武鉄道の特急で、池袋から西武秩父駅まで約1時間20分、さらに車で30分ほど走ると埼玉県・奥秩父の両神村に入る。「源作印ワイン」で知られる「秩父ワイン醸造所」は、1940(昭和15)年、浅見源作さんが設立した。

 当時、ワイン造りの本として定評があった新潟の川上善兵衛さんの「葡萄(ぶどう)全書」を東京・神田の古本屋で買い求めて、源作さんと息子の慶一さんは「秩父生葡萄酒」を誕生させたが、評判は悪く、さっぱり売れない時代が続いたという。しかし転機は訪れた。59年、2人のフランス人神父がワインを求めて訪ねてきた。その後外国人の間で評判になり、地元の人も飲み始め、ワイン造りが軌道に乗る。源作の孫であるカツの夫、島田安久さん(64)が、現在ワイナリーの4代目である。

 ワイナリーの定番商品は、創業者である源作の名を付けた「源作印ワイン」。白とロゼもあるが、今回は日本固有の交配種「マスカット・ベリーA」の赤を紹介したい。

 「ブドウをつぶした時にあふれる濃い紫色のジュース」がそのままワインになったように鮮明な色調である。グラスからは「春、河川敷を散歩していると、さわやかな風に運ばれる、草木と花のにおい」のように「おだやかな陽光」の香りがする。口に含めば「さっぱりとしていながらも、適度な渋み」があり、「赤い木の実をかみつぶしたような酸味」が口蓋(こうがい)に残る。心が癒やされる「じつに自然で、飾り気のないワイン」。

 全国には130を超えるワイナリーがあると聞く。連載を通じて知り合った生産者の皆さんの謙虚な姿勢に心を打たれたことも多かった。ワインとの対話を通して、お会いできなかった生産者の方の思いを知ることもできた。近い将来、国産ワインがますます注目されることは間違いないだろう。すべてを紹介することができなかったのが残念だが、日本で一生懸命ワインを造っている皆さんに、「乾杯、日本ワイン!」。

(おわり)


(2004年3月29日朝日新聞東京本社朝刊のマリオン紙面から)

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