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2007.10.16(火)更新  よくばり湯の旅


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地球の熱でホックホク料理 中房温泉
(長野県)
中房温泉
 「焼山」で地熱蒸しを楽しむ=いずれも垣内博撮影
地熱浴場"
夜は満天の星が望める地熱浴場
 「まだ早いかな」「そろそろいいんじゃない?」

 山登りに来たという中年の女性グループと一人旅の男性が、楽しそうにのぞき込む。スコップで掘った穴に、新聞紙にくるんだ生卵やソーセージを埋めていた。あとは何もせずに、ただ待つだけ。100度を超す砂の温度を利用した簡単蒸し料理の完成だ。

 北アルプス・燕岳(つばくろだけ)の登山口にある中房(なかぶき)温泉の一軒宿から、敷地内の山道を上って15分。突然、開けた場所に出る。数カ所の穴から白い蒸気が上がる「焼山」という地熱地帯。かすかに硫黄のにおいが漂い、地面はくだけた花崗岩(かこうがん)で白い。

 わずか10分ほどで、生卵は「地熱蒸し卵」になった。白身はゆで卵よりやわらかく、半熟の温泉卵より硬い感じ。中からしっかり蒸し上がり、食べたら石焼き芋のようにホックホクしていた。

 こんな地熱に温められ、中房温泉の源泉は70〜97度にもなる。空気にさらしたり、冷水のパイプを通したりすることで、薄めずに適温にしている。なめらかで、入るとつるつるする「美肌の湯」。これも含まれる成分の恵みか。温泉プールなどの変わり種も含めて風呂は屋内外に14カ所。1泊ではとても回りきれそうもない。

 昼間は食材だったが、夜になって「地熱浴場」で自分の体を蒸してみた。むしろを敷いて横になったら、山すそまでびっしりと瞬く星空が迫ってきた。1時間余りで5、6回、流れ星に出合った。ほおをなでる風は冷たいが、体の芯から温まり、汗が噴き出てきた。

 ライター 野添ちかこ
 撮影   垣内博


 ◎一軒宿「中房温泉」 標高1462メートルにあり、敷地総面積は約7万坪に及ぶ。紅葉の見頃は10月中旬〜下旬。

 ▼「焼山」での地熱蒸し フロントでジャガイモ、手作りソーセージなどの食材を販売するほか、4時間かけて蒸し上げたローストビーフなども用意(要予約)。宿泊者対象。

 ▼冬季閉鎖 積雪で宿までの交通が困難になるため、11月24日泊までの営業。雪解けを迎える来春4月27日ごろ再開予定。1室2人以上利用、1人1万5900円から。問い合わせは中房温泉(0263・77・1488)。

 ◎燕岳(つばくろだけ)登山 標高2763メートルの山頂までは、登山口から約4〜5時間、下りは約3〜4時間が目安。中房温泉から日帰り可。問い合わせは燕山荘松本事務所(0263・32・1535、(土)(日)(祝)休み)。

 【所在地】
  安曇野市穂高有明。

 【交通】
  中房温泉へは、JR大糸線穂高駅からバスで約50分。長野道豊科インターから約60分。

 【泉質】
  硫黄泉、単純温泉。

中房温泉

(2007年10月16日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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