温泉や入浴法の専門知識を持ち、温泉の良さを広める「温泉ソムリエ」。赤倉温泉観光協会などが認定している資格だ。一泊二日の認定ツアーに参加すれば、どうやら私もなれるらしい。
講師の遠間和広さん(42)が営む「遠間旅館」にチェックイン。年齢も性別も様々で、1人での参加も多い。今回は、いつもより若者が多いそうだ。広間で温泉分析書の読み方などの講義を受ける。「カルシウムイオンが44%」と言っているとまるで理科の授業のよう。しかし、どのように泉質が決まるのかが分かり、面白い。
次は「湯めぐり」へ。赤倉温泉の近くには乳白色の「燕(つばめ)温泉」や鉄分を含んだ茶褐色の「関温泉」などがある。いずれも全く違った泉質なので、違いを肌で実感するのに最適なのだという。
スタートは02年。温泉の良さを伝えるために、関係者限定で始めた勉強会が評判になり、05年からは一般にも開放した。毎年春から秋に5、6回講習を行い、これまでに約800人の温泉ソムリエが誕生した。温泉好きが高じての受講が多いが、中には温泉ライターとして活躍する人もいる。
「安全な入浴法を広めるのも、温泉ソムリエの大切なつとめ」と遠間さん。たとえば、頭に乗せるタオル。冷たい水に浸して頭全体を覆うようにかぶせれば、のぼせにくくなるのだとか。ただのファッションではなかったのか。
たったの2日間だが、温泉分析書を見て「この水素イオン濃度だと弱アルカリ性。美肌の湯だね」など、ちょっとしたうんちくが語れるまでにはなった。「温泉ソムリエ」と、名刺に入れてみようかな。
文 中嶋麻喜
撮影 真田弘宣