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2007.12.11(火)更新  よくばり湯の旅


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原生林の山腹に2本の蒸気 新野地温泉
(福島県)
新野地温泉
 源泉の湯けむりとブナの原生林、雪景色を見ながら入る露天風呂は野趣にあふれる。目隠しもナラの枝がつかわれている
 鬼面山を目の前に、噴き上る2本の蒸気。これが新野地(しんのじ)温泉の目印だ。ドライブ中に山の木立の間から白煙を見つけ、温泉と知って入っていく人も少なくない。

 近くに、「日本の道100選」の磐梯吾妻スカイラインが通る。時に雲海を眺める人気のドライブコースだ。しかし、冬季は土湯峠一帯の道は閉鎖。新野地温泉でも冬季限定で福島駅から送迎車を出す。宿まで約32キロ、市街を出ると雪道になる。

 道中、運転手の宿スタッフによる周辺ガイドを聞きながら行くのも冬の宿泊ならではだ。

 宿は安達太良連峰の中腹、標高1150メートルの立地だが、福島盆地を一望できる。夜景もきれいと評判。車から降りると硫黄の香りが漂って来た。蒸気は宿の裏手、露天風呂の辺りから「シューッ」と豪快な音を立てながら空高く上る。この蒸気、館内の暖房にも利用されていて、厳冬下でも浴衣一枚で暖かく過ごせるほど。

 露天風呂へは、自然の立地を生かして作った木の通路を歩く。風呂の囲いは、木や小枝を立てたシンプルな造りで野趣に富んでいる。

 さっそく薄緑がかった白濁の湯を堪能する。蒸気が風吹くままに形を変える様を見ていると、時間が過ぎるのを忘れてしまう。そうして温泉から出入りを繰り返していたら、肌がツルっとしてきた。

 翌日、送迎車に乗り込むと、意外なお土産が付いてきたことに気が付いた。自分の体から硫黄の香りがする。何度も腕を鼻先にくっつけては、温泉の情景を思い浮かべた。

 文  上林千紗子
 撮影 上田頴人


 ◎新野地温泉・相模屋旅館 磐梯朝日国立公園内の一軒宿。2月、3月は積雪2メートルを超えることも。夕食は、根曲がり竹の水煮など、地元の料理が味わえる。内湯男女各2、露天男1女2。立ち寄り湯は午前10時〜午後3時、500円。4月下旬までの路線バス冬季休業中は、宿からの送迎車あり(1日1往復、要予約)。1泊2食付き1人1万650円から。問い合わせは0242・64・3624。

 ◎磐梯吾妻スカイライン 高湯温泉と土湯峠を結ぶ28.7キロの有料観光道路。吾妻小富士など吾妻連峰を眺めながら走る。営業は4月8日〜11月15日。問い合わせは県道路公社(024・521・5530)。

 ◎道の駅・つちゆ 国道115号沿い。観光情報や道路情報を扱うコーナーが便利。売店やレストランも。標高800メートルにあり、福島市街を一望できる。問い合わせは0243・24・2148。


 【所在地】
  福島市土湯温泉町野地

 【交通】
  JR福島駅から送迎車で約45分。東北道福島西インターから国道115号、県道30号経由で約45分。

 【泉質】
  硫黄泉

新野地温泉

(2007年12月11日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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