乳白色にエメラルドグリーン、赤褐色、無色透明、飴(あめ)色……。色もにおいも成分も、それぞれ違う個性的な温泉が点在する。
11種類に分類される温泉の掲示用泉質名のうち、鳴子温泉郷には二酸化炭素泉と放射能泉などを除く7種が湧(わ)く。そんな温泉地で湯めぐりに出発。
まずは温泉神社のご神湯を引く鳴子温泉の「滝の湯」へ。木の樋(とい)を伝って滝のように注がれる温泉は手前が「あつ湯」、奥が「ぬる湯」。公共浴場は熱すぎて入れないことが多いがここは大丈夫。かけ湯をしてつかるとピリピリきた。効きそうなお湯である。硫黄分の入った酸性泉はきりきず、やけど、皮膚疾患にとくに効果がある。
次はエメラルドグリーンの「うなぎ湯」で有名な「ゆさや旅館」へ。同じ硫黄泉でもこちらは正反対のアルカリ性。ぬるぬるというよりはつるつるの感触で、日によって緑の色が変わる神秘的な温泉である。この湯は絹のようにやわらかく、肌がなめらかになった。
いくつかまわって最後は東鳴子の変わり種温泉・黒湯の「高友旅館」へ。黒みを帯びた深緑で、表面に油膜が浮いている。浴室には石油のようなにおいが漂い、入るとぬるぬる、肌にはぴりっと感じる。この宿には、体中に細かい泡がつく不思議な「ラムネ風呂」もあり、館内で湯巡りができる。
宿のおばちゃんは、「温泉で髪を洗ったらピカピカになって、トリートメントしたの? って聞かれちゃったわ」。
いい話を聞いたが髪を洗うのは忘れた。次回は洗ってみよう。
ライター 野添ちかこ
撮影 真田弘宣