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2008.3.25(火)更新  よくばり湯の旅


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けたはずれの「強酸性泉」 玉川温泉
(秋田県)
玉川温泉
噴気が上がるテント付近。ゴツゴツした岩肌に横たわる
玉川温泉
湯気が満ちる大浴場
 「すごい湯がなきゃ、こんな山奥まで来ないよねえ」。雪上車の中、隣の女性がつぶやいた。田沢湖から北へ約45キロ。豪雪と、それを上塗りするように立ち上る湯煙と噴煙で視界は真っ白だ。

 玉川温泉は、屈指の酸性泉で知られる湯治の地。しおりには「飲泉は、約15倍に水で薄めて飲み、その後は必ずうがいを」とある。源泉を口に含むと「歯が溶けてしまう」からだ。部屋にテレビがないのは、空気中も酸性濃度が高いため、1年ほどで壊れてしまうから。それぐらい強い。

 「個性的な湯なので合わない方もいます。長湯は禁物。まずはお試しください」。営業副支配人の山田茂雄さん(44)は言う。

 早速、ヒバ造りの大浴場へ。11種の浴槽には、それぞれに「源泉50%の湯」などと記されている。「かけ流し」「加水・加温なし」を売りにする温泉が多い中、ここでは堂々の「水割り」なのだ。一番広い「源泉」100%、39度の湯にそろりと体を浸す。ピリピリと刺すような刺激。小指で少しなめるとレモン水のような味がした。心得を守り約3分。ストレス解消に「浸頭湯」、減量を狙い「箱蒸し湯」などめぐり、かけ湯で仕上げた。

 翌朝6時。ゴザを抱えて、もう一つの名物である「岩盤浴」へ。硫黄のにおいが覆う中、除雪された遊歩道を長靴で行く。ゴボゴボと98度の湯がわき出る「大噴(おおぶき)」の先に目指すテントが見える。すでに中は満員状態。「ここ、あたたかいよ」。ベテランさんに促され、岩肌に寝ころぶ。目を閉じて、とてつもない自然のパワーを体感した。

 文  猪俣千恵
 撮影 小松ひとみ


 ◎玉川温泉 十和田八幡平国立公園の一角に位置する国民保養温泉地。殺菌効果が高いpH1.05という温泉を研究し、10人以上の医学博士が誕生。効用は神経痛、皮膚病など多岐にわたる。「がんに効く」などと口伝えで広まり年間約20万人が訪れる。自炊部と旅館部がある。酸性度に加え、ずば抜けているのが「1カ所の源泉からの湧出(ゆうしゅつ)量」。毎分9000リットルわき出る源泉「大噴」は、一帯に整備された1周約2キロの散策路で見られる。源泉は新玉川温泉など周辺施設にも供給。問い合わせは玉川温泉(0187・58・3000)。

 ◎岩盤浴 50度近くにもなる地熱を利用した温浴法。新陳代謝を促し細胞を活性化させるという。温めた石を使い発汗を促す流行の健康法は、玉川温泉を基に発想された。冬はテント内、夏場は散策路沿いの思い思いの場所で寝ころぶ。ゴザなどは持参する。


 【所在地】
  仙北市田沢湖玉川

 【アクセス】
  田沢湖駅からバスで約1時間半。玉川温泉までは雪上車が送迎(約15分)。※4月下旬から車両通行止め解除。

 【泉質】
  塩化物泉

玉川温泉アクセス

(2008年3月25日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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