
人気メニューは3675円のおまかせコース。握り10貫と巻物三つにおみそ汁が付きます。
カウンターに敷かれたササの葉の上に、次々にすしが並んでいきます。出だしはマグロの大トロ。つやつやと光る脂が食欲をそそります。口いっぱいになりますが、ぜひとも一口で。身の締まったヒラマサの次は、ウニとアオヤギの軍艦。「ノリがしめりますからお早めにどうぞ」と板長の佐藤さんから声がかかります。あふれんばかりの具に、あごが開き足りないほど。ノリも、ノリ漁を営むツヤ子さんの実家、佐賀県有明海から送られてくるものです。ミツバ入りの卵焼きは、ツヤ子さんと真喜さんの手作りで、ほっと一息のはし休めに。
アンケートでも評判のアナゴは、ふっくらまるい握りに、とろりとしたツメがたっぷり塗られています。「やわらかいのでおはしでは崩れますから、手でどうぞ」と板前さん。口に入れると、ふわりとほどける淡泊なアナゴに、濃厚なツメの甘い香りが広がります。アナゴはその日の分だけを仕入れ、煮て、その煮汁につけ込み、味を含ませます。「鮨文」に代々伝わる方法だそうです。
その後、トロ、マグロの赤身、コリコリの大ぶりな赤貝と続き、アジ、車エビ、最後に赤貝のヒモとキュウリ(ヒモキュウ)の巻物がつきます。ガリも甘めの優しい味。てきぱきとお店を仕切る真喜さんと対照的に、一見おっとり無口な板長・佐藤さんですが、お客さんの質問には丁寧に答えてくれます。会話の中で、「リズムよくやりたいですね」と話していたのが印象的でした。
| この季節にしか食べられない、コハダの稚魚「新子(シンコ)」の握り。時期により1貫300円〜600円程度まで値の幅があり、扱いも難しい魚だそう。口に入れると、ほろほろとほどけるシャリのなかに、酢と塩が利いた弾むようなシンコの舌触りがすがすがしい1品です。 |