
浅草寺の雷門から少し離れた所に、炊きたてのおいしい「ご飯」がいただける「元祖 釜めし春」があります。
「かまめしも みぞるるものの ひとつかな」。これは同店をひいきにしていた作家で美食家としても知られる久保田万太郎が詠んだ句です。
創業は1926(大正15)年。釜飯専門店として始めたのは関東大震災が大きく関係しています。初代は定食屋を営んでおり、震災後、避難した人が持ち寄った食材を大きな釜に入れて飯を炊き込み、飢えをしのいでいたのだとか。これをヒントに、再スタートした店で釜飯を出したところ反響が良かったので、釜飯をメーンに売り出したのが「釜めし 春」の始まりです。
また、1合炊きの釜を開発したのもこの店と言われており、次第に全国に広がっていったのだそう。調理場にお邪魔すると、釜がしっくり収まるよう特製のコンロがずらりと並んでいました。
主役の米は、新潟県産コシヒカリと宮城県産ササニシキをブレンドしたものを使います。ぐちゃっとならずにふっくらと炊きあげるために、その年の出来具合を見て割合を決めています。
炊き方にも一工夫。米と具材バラバラに火を通すのではなく、一緒に炊き込むので、具材の味が米にギュッとしみ込んで風味豊かな味わいのご飯になるのだそう。味付けは、しょうゆ、酒、みりんを混ぜた「タレ」と呼ばれる合わせ調味料のみ。素材のうまみや香りを損なわないよう、あえてカツオやコンブは一切使わないのが「釜めし 春」流。食材への自信とこだわりが感じられます。
注文を受けてから火にかけるので、待ち時間は約20〜25分とちょっと時間がかかります。刺し身、揚げ物、煮物など単品メニューも充実しているので、一品料理を食べながら待つのも良さそうです。浅草という土地柄、土日は観光客でいっぱいになります。早めの来店か平日に行くのがおすすめです。