大日と呼ばれる山や峠、巨岩などは宗教登山が盛んだった山域に必ずといっていいほどある。山好きによく知られていて、ぼくも何回か登っているのは、立山連峰の大日岳、剱岳の展望台だ。今回、新百名山として選んだのは白山山系の南端に位置する、岐阜県の大日ケ岳で、長良川の源流にそびえる山だ。立山、白山は富士山とともに、日本の主な霊山とされているのだから、大日があって不思議ではない。
ぼくがこの山に登ることができたのは同県関市にあるアルキニストの会という中高年の登山愛好家グループのおかげだ。数年前、この会の35周年記念登山にご一緒して以来、親しくしている。皆さんからは「大日ケ岳に登りにいらっしゃい」「鵜飼(うか)いを楽しみにいらっしゃい」と誘われる。長良川といえば鵜飼い。しかし、関市に長良川が流れていて鵜飼いの舟が出ているとは知らなかった。
その後、02年5月下旬、大日ケ岳登山を計画した。アルキニストの会のリーダー、能出一夫さんに伝えると、鵜飼いも含め、段取りして下さった。
岐阜羽島駅まで行くとマイクロバスが待っていて関市まで案内して下さる。この日の宿は「鵜の家足立」。夕食を早めに済ますと、鵜飼いの見学だ。かがり火に照らされた長良川の水面に鵜が飛び込む。数羽の鵜を上手にあやつる鵜匠(うしょう)。すてきなショーだった。翌朝は4時に起き、再びマイクロバスで、県の北西部、ひるがの高原の登山口へ向かった。
登山口に到着。準備体操をしてから登山開始だ。急登で大汗をかき、いっぷく平でひと休み。ブナ林を抜け、最後の急斜面をひとがんばりすれば大日ケ岳1709メートルの頂上だ。登山口から約4時間。頂上から見る白山の山並みがすばらしい。
よく晴れて最高の登山日和だったのでぼくたちは桧峠へと縦走した。3時間30分の長丁場になるので、天候やメンバーの体調によってはダイナランドスキー場へと下った方がいい。駐車場まで約2時間だ。桧峠で我々を拾ってくれたマイクロバスの行き先は、白鳥の日帰り温泉であった。充実の2日間だった。登山口のひるがの高原は高山性湿原植物が豊かな所。大日ケ岳登山に自信のない方には、高原ハイキングと鵜飼いを組み合わせた旅をお薦めしたい。