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うふふナチュラルライフ

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軒下につらら・つらり・つらる…    

    その日の寒さを五段階活用で表現する

イラスト・さかいひろこ
  冬の行事は、年末の餅つき、年越しそば作りが終わると小休止を迎え、しばらくは家の窓から雪を眺めて過ごす日が続く。

 昨夜も一晩中降ったのか、今朝の積雪量は、ベランダに住みついている野良猫のミケちゃんの体が潜ってしまうほどになっていた。強い風が木の枝から一斉に雪をたたき落とし、森の中が一瞬真っ白になる。雪女……。昔の人が恐れた白い妖怪を思わせる景色だ。なのにその真ん中でミケちゃんたら、のんきに耳の裏をかいている。寒くないのだろうかこの子?

 心配なのは、屋根の上から滑り落ちてくる雪の塊。直撃されたら小柄なミケちゃんは埋まってしまう。雪崩の下敷きになるように。だから家の中に、そのドドドドッという音が響いたら、ベランダに飛び出て彼女の無事を確認するのが高木家の冬の仕事になっている。

 落ちた雪に、長いつららが混じっていることもある。2、3日かけて軒下に伸びたものが折れたのだった。40年近く都会で暮らしていた私には、毎年目にするようになった今でも、まだ長いつららが珍しく映る。30センチ以上の大物を見つけた時など思わず「すげ〜」とうなってしまう。

 つらら・つらり・つらる・つられ・つらろ

 これ、私が考えた『つらら五段活用』。軒下に背の順に並んだつららを見たとき、無意識に口にした。一番短いのが『つらら』で、大きくなるに連れ『り・る・れ』と変化し最大級が『つらろ』。応用して我が家では、その日の寒さを「今日はつらりだ」などと表現する。

「つらろが頭に当たったら穴があいちゃうからね」とミケちゃんに教えたが、わかっているんだかいないんだか。ただ透明な野生の目で見上げているのだった。

(タレント・エッセイスト)

(2003年1月8日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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