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うふふナチュラルライフ

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頑丈な骨と筋肉、体力とともに     

     心にも強さが必要な田舎暮らし

イラスト
イラスト・さかいひろこ

 雑木林の中からコンコンコンコンコン! と威勢のいい音がする。そっと草をかき分け近づくと、古い枯れ木の幹の陰からチラリ、真っ赤な羽毛がのぞいた。私がそちら側に動くと、それはクルリと幹の反対側に回り込んで、また隠れてしまう。なんと動きの素早いこと。あんまり見ていても失礼なので早々にその場を退散。背中にコンコンコンコン! と勢いのいい音が再び響いてきた。

 アカゲラの巣作りである。ちょっと時期が遅いようにも思えるのは、きっとほどよい木を色々探し回っていたからだろう。こだわりの家作りというやつだな。

 あんなに強くつついて、よくムチ打ちにならないものだと感心する。頑丈な骨と筋肉を持つ生き物がうらやましい。

 私などは、田んぼで2時間草むしりをしただけで、翌日は体の裏側全体が筋肉痛になってしまう。腰、太ももは特に重症で、畳の上を歩くのさえつらい。

 今日は草むしりの後、稲に竹酢液をまく日。水で500倍ほどに薄めた液を10リットルも背負って泥の中を歩く。自分の体重以上の重さになっているから、よけい足をとられやすく、油断すると仰向けにひっくり返ってしまい、助けが来るまで亀の子のようにじたばたしているしかない。後頭部からかかとまで泥で真っ黒。前から見る分にはキレイなままなのだが。

 田舎で農ある暮らしをするには、何かと筋力を使う。畑で野菜を作るにも、鍬(くわ)をふるわなくてはならない。もちろん草むしりはあるし、大切な土づくりのための堆肥(たい・ひ)作りには、マラソン大会並みの脚力が必要だ。味噌(みそ)を作るなら、大だらいの中でミンチ状になった大豆をスコップで切り返すことが、少なくとも5分は続けられるだけの腕力と体力がいる。

 更に、私の住んでいる那須高原では心無い開発業者や産廃業者によって、森林の木が切り倒されたり、違法廃棄が横行したりと自然がどんどん破壊されてしまっている。この惨状に自治体は大して当てにならないし、地元の不動産業者が作る協会も同様だ。個人が一生戦い続ける覚悟をするしかない。田舎で自然をめでながら暮らすには、実は心にも強い筋力が必要なのだ。

(タレント・エッセイスト)

(2003年6月25日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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