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うふふナチュラルライフ

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夏なの秋なの、考え込むスイカ     

     咲くに咲けずに苦しむ稲の花

イラスト
イラスト・さかいひろこ

 うちのパフちゃん(三毛猫♀)は、いつも私のベッドで毛布の上に丸くなって寝る。夕べは鼻先で毛布を持ち上げ、中にもぐり込んでから、やっぱり変だぞ、という顔をしてまた出て来た。もう秋になったと勘違いしたらしい。やれやれ……。

 畑でも、夏なんだか秋なんだかわからずに困っているのがスイカ。せっかく猿の襲撃を免れたというのに、このまま大きくなっていいのかどうか考え込んでしまっているようだ。直径10センチ。体にはもういっちょ前に、あのシマシマができているのに。

 スイカのシマシマは、スイカ自身の長きに渡る努力の結果、生まれたものだそうだ。もともと砂漠が原産。いつも干からびる恐怖にさらされていた彼らは、少しでも多くの子孫を残すため、自らの体に目立つシマ模様をつけることで鳥などに見つけてもらい、食べてもらって糞(ふん)によって他所(よそ)に運ばれようとしたらしい。すごい。あの丸い体のどこでそんなことを考えたのだ。スイカは今まで何個も食べたが、脳ミソなんて無かったぞ。すごすぎる。

 ところで田んぼでは、稲が大変なことになっている。臨月態勢のまま、にっちもさっちもいかないのだ。穂ばらみと言って稲の花の蕾(つぼみ)は膨らんだのに、お日様がちっとも照ってくれないから咲くに咲けない状態なのだ。人間でいえば皮膚にあたる薄い皮が、パンパンに張って透き通っている。見ているととても苦しそうで、早くすっきりさせてやりたいと、人間の私はこんな時ついグチをこぼしたくなるが、稲の本音はどうなのだろう。これも自然の成り行き。いたしかたないこと、と達観しているだろうか?日本に稲が入って来たのは縄文時代だというから、それ以前からこの地球上に存在していたはず。以来ずっと大地に根を張り、他者の食料となり続けてきたのだろう。食べられて生きる。負けるが勝ち、なんて、稲みたいな植物が言ったらカッコよく決まるだろうな。

 長雨のせいだろうか。わが家の庭に出没するナメクジが、こいつばかりは元気いっぱいで巨大化している。全長20センチ、胴まわりは5センチはありそう。この生き物にピッタリな言葉は、やはり粘り強く生きる、だな。

(タレント・エッセイスト)

(2003年8月20日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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