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うふふナチュラルライフ

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自然失い、変わりゆく那須の風景     

     愛なしで守れない「うふふライフ」

イラスト
イラスト・さかいひろこ

 今回は“うふふナチュラルライフ”ではなく“がっかりナチュラルライフ”です。

 夏休みが終わり、那須高原は静けさを取り戻した。もともと人口の少ない場所だったが、ここ数年は都会から人がたくさん来て、家が雨後のタケノコのように新築されている。私が住んでいるあたりなど、もう以前の面影もなくなりつつあり、市街地にある宅地のようになってきてしまった。かつて別荘地だった物の中には、いつのまにかただの宅地の名目で売買されているものまであるという。

 家を建てるときは敷地内になるべく木を残してくださいとか、地面をコンクリートで固めるのはやめましょうとか、つい5年前まで自然と溶け込むような住まい方を奨励する気風が残っており、私もそうできるよう努力したが、そんなことも今は昔の話になってしまった。雑木林の中にアパートまがいの施設まで出来る始末で、那須も以前のイメージでは語れなくなっている。おそらく日本中でこういったことが起こっているのだろうと思うと、田舎暮らしを楽しもうにも楽しめない気分だ。こうして自然の中で暮らす喜びをエッセーに書くことさえためらわれる。もし私の書いたものを読んだ人が那須に越してきて、雑木林の中に立つアパートに悠々と住んでいるのを見たら、私はきっと自殺したくなるだろう。

 自然があるからこそ商売ができる人たちが、自然があることへの感謝を忘れている。一部の悪質不動産屋、開発業者は何も知らない都会の人をうまく言いくるめ、普通より高い値段で整地などの仕事を請け負い利ざやを稼いでいる。行政は相変わらず腰が重く、条例の強化などの措置を取っていない。そもそも罰則がなかったり、あっても罰金が安いので、それを払っても十分利益が出るから、業者はいくらでも悪いことをするという悪循環が起こる。これを改善しない限り、いずれ那須はリゾートとしての価値を失うだろう。

 都会に自然が無さすぎるのも問題だ。かわりに田舎に求めることになる。だがそれはいつも急激な変化を伴い、自然の回復力を超えた変化を起こしてしまうのだ。自然の中で暮らすということは愛する人と暮らすのと同じ、自分勝手ではやがて破綻(はたん)する。

(タレント・エッセイスト)

(2003年9月10日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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