「適当にみつくろってツマミでちょうだい」。空港の寿司(すし)は少々お高く感じるが、飛行機の旅は命がけだから仕方あるまい。
太平洋上で墜落。奇跡的に一命は取り留め、機体の破片につかまり無人島に漂着。罠(わな)を仕掛け、やっとのことで捕まえたネズミをかじりながら、「あぁ、寿司食いてぇ」と思うに違いない。しかし待てよ。美少女が一緒だったら。いや美少女と2人っきりで無人島に漂着したとしたらどうだ。……墜落してもうれしい。ならば「寿司と美少女」どっちがうれしい?美少女だ。打ち上げられた砂浜に寿司が落ちているより、美少女が落ちている方がうれしいに決まってる。「寿司なんて屁(へ)みたいなもんだぜ」。
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というプロセスを経て俺(おれ)は今、ニヤニヤと成田で寿司を食っている。「この人、お小遣いのほとんどを出発前のお寿司屋さんで使っちゃうんです。しかも余程うれしいのか、顔が笑ってるんです」と同行するプロデューサーにマネージャーが話している。そうだ。笑っている理由は全然違うが、この旅の目的はハリウッドに乗り込み、ジム・ジャームッシュの「ゴースト・ドッグ」や、クリント・イーストウッドの「バード」などで主役を演じた、フォレスト・ウィテカーという大物役者と「こんな映画を創(つく)ろうぜ」という大切なミーティングである。フォレストに会ったら聞いてみよう。「ハンバーガーと美少女」どっちがいいかって……。
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あ、お気づきでないかも知れませんが、実はこれ「映画のコラム」なのです。しばらくの間、よろしくお付き合い下さい。