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2005.10.13(木)更新
三池崇史のシネコラマ

 第26回 「いつもの手口を米国人に」
 間もなく次回作の撮影が始まろうとしている。自分たちが世界の中心だと思っている某国のケーブルチャンネルの作品だ。ジャンルはズバリ系のホラー。映像化絶対不可能といわれた岩井志麻子の小説が原作だ。キャスト、スタッフはスペシャルで、制作費としてはギリギリかなって感じだが、物語はウルトラ刺激的。日本人の感覚からすると限界を超えちゃってる強烈な恐怖作品が誕生する。詳細は次回にでも書かせていただこうと思います。

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 私にとって映画的「間もなく」というのは10日以内を表現する言葉です。しかし黒沢清の「間もなく」は半年〜2年ぐらいで、黒澤明の「間もなく」は5年〜10年ぐらい。お蕎麦(そば)屋さんの出前なら20分といったところでしょう。すなわち私の「間もなく」というのは黒沢清よりもお蕎麦屋さんに近いということになります。真に曖昧(あいまい)な表現です。その曖昧さが日本映画の特徴なのだと思っているのですが、米国人のプロデューサーには通用しません。

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 「この台本は怖い映画にな〜るですね?」

 「……ま、多分」

 「ま、多分? お〜、多分じゃ困るです。アメリカそれでは通じません。どこがどう怖〜くなるか説明してくださ〜い」

 万事がこんな感じだ。口が裂けても「やってみなきゃわかんねぇよ」とは言えない。相手がそれで喜ぶのなら平気でウソをつく。昔から周囲の人によく言われたもんだ。「あんたは節操(ポリシー)がない。撮ればいいってもんじゃないぜ」と。議論は時間の無駄なので「その通りでございます」と、安い頭を下げてシカトをきめ込み、ポリシーなく撮ってきた。そのお陰で今ではすっかり「シカトのプロ」。その手口が米国人に通用するか密(ひそ)かに実験する今日このごろです。あ、今週末も「ウルトラマンマックス」見て下さいね。

(2005/10/13)

みいけ・たかし

 60年生まれ、大阪府出身。今村昌平、恩地日出夫監督らに師事。95年「新宿黒社会」で劇場映画監督デビュー。「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」(97年)、「ゼブラーマン」(04年)など、ジャンルを超えた話題作を世に送り出す。

 
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