「で、できた」
ひそかに制作を続けていた映画「46億年の恋」が完成した。試写を観(み)たプロデューサーたちの目がうつろ(でも瞳孔は開き気味)で口がポカンで、「はふはふ」と呼吸に覇気がない。
「こ、これはいかん」
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だから私は言われる前に、「ヘンな映画ですね、これ」と、ひとごとのように言い放ってやった。よくあることだ。私が「これは名作だ!」と興奮していると、周りの方々の目がうつろで口ポカンとなっているという現象がしばしば起こるのです。これはいけませんな。喜びを共有できないってのは寂しいもんです。しかし、いいものはいいのです。それは曲げられません。「46億年の恋」がどうしていいかと簡単にご説明いたしましょう。
まず、タイトルからも分かるように宇宙と恋の関係について語るというスケールの大きな映画です。恋、すなわち純愛と太陽系の星たち。木星を周るイオとエウロパ、炎と氷を描いているのです。でもって、ジャムパンと暴力、コンテンポラリーなダンスと南国のじいさん、つまり老いからは逃れられないという現実の残酷さをとらえた映画でもあるわけです。それを大田区池上のパチンコ屋の地下ですべてのシーンを撮りきってしまったアバンギャルドな冒険恋愛暴力映画とも言えるだろう。
「俺(おれ)たちに撮影所なんていらねぇよ。志の問題だろ。パチンコ屋の開店する午前10時にはアナウンスがうるさくて本番いけないけれど、『よ〜し、今日もジャンジャンバリバリ撮るぞ!』って気合が入るぜ」
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松田龍平と安藤政信のダブル主役でお届けする女の出ない愛の映画。ホモ映画じゃない。「男だけの『愛と誠』だ!」
あ、ちょっとちょっと。あなたまで口ポカンじゃ困りますよ。しっかり観て下さいね。