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2006.1.19(木)更新
三池崇史のシネコラマ

 第37回 「大作抑えたB級映画」
 米国の劇場でちょっとした事件が起こっている。低予算スプラッター・ホラー映画が、超大作「ナルニア国物語」や「キング・コング」を抑え込み、全米興行ランキング第1位に輝いたのだ!

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 「うおっ。そ、それって、『コアラ課長』が『踊る大捜査線』をブッちぎったってことですね!」
 まぁそんな感じです。ともかく痛快です。世界B級監督協会・極東支店副キャプテンの私としては素直に嬉(うれ)しい。「血シブキが上がらにゃあ映画じゃね〜」って感じで週末みんなで盛り上がっちゃったんですね。
 で、その映画のタイトルは、『HOSTEL』と申します。製作総指揮はご存じ、クエンティン・タランティーノ。監督はこれが2作目となる血みどろの新星、イーライ・ロスだ。タランティーノに負けぬ映画狂であり、私の数少ない友人のひとりでもあります。で、以前もここに書いたのですが、私も撮影現場のプラハに呼ばれまして、『ジャパニーズ・ビジネスマン役』でちょこっと出演しているという変わり種ってわけだ。だから、ストーリーも怖いほどシンプル。「ヨーロッパを旅するアメリカ人の大学生バックパッカーが恐ろしい出来事に遭遇しちゃって、みんな切り刻まれちゃう」って感じ。
 「イーライ、撮影は順調?」
 「あぁ、順調さ。ここはハリウッドから遠いから、やりたい放題楽しんでるよ」

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 そんな彼も、この成功で次回作はスタジオで管理されながら撮ることになるだろう。成功が自由を奪う。乗り越えねばならない壁だ。でも、彼なら負けないだろう。デッカイB級映画の誕生を待ってるぜ。あ、その前に「HOSTEL」を日本で楽しみましょう。て、公開できるのかなぁ……。映倫さん、優しくしてあげてね。

(2006/1/19)

みいけ・たかし

 60年生まれ、大阪府出身。今村昌平、恩地日出夫監督らに師事。95年「新宿黒社会」で劇場映画監督デビュー。「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」(97年)、「ゼブラーマン」(04年)など、ジャンルを超えた話題作を世に送り出す。

 
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