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2005.10.26(木)更新  日本音紀行 もうひとつの風景

伊勢神宮 (三重県)

「清澄」奏でる玉砂利の道
雨の内宮参道、急ぎ足の神職の足元で玉砂利が鳴る
=三重県伊勢市の伊勢神宮・内宮で(撮影・垣内博)

【交通】内宮へは伊勢市駅からバスで約15分、五十鈴川駅から10分。車は伊勢道伊勢西インターから5分。
 人々は親しみを込めて「お伊勢さん」と呼ぶ。伊勢に行きたい伊勢路を見たい−−。民衆のエネルギーは江戸時代、「お蔭(かげ)参り」と呼ばれる熱狂的なブームも生んだ。伊勢参りには、日本人の旅の原点がある。

 江戸から伊勢神宮まで、かつて藁(わら)草履で半月かかった道が、今では東京からたったの4時間弱。今回その短い旅の間に、心待ちにしていたのは、厳かな「音」との再会である。

 天照大神(あまてらすおおみかみ)をまつる内宮(ないくう)の、入り口にかかる宇治橋の前でタクシーを下車。耳を澄ませて、橋を渡る。五十鈴(いすず)川の豊かで澄んだ音が、ひたひたと近づいてくる。  橋が終わると、歩きやすい木橋の感触が突然、一歩ずつグッグッと沈む、低くくぐもった音と一体となった感触に変わる。そこからは大粒の玉砂利が、たっぷりと敷き詰められているのだ。

 参道を進むにつれて、玉砂利の不思議な響きが、水音の及ばなかった身体の奥深くに届いてくる。前後から、他の参拝者の足音も聞こえてきて、参道は「音の川」のよう。都会の疲労を蓄えた心は徐々に洗われ、晴れやかな気分になってくる。

 天をつく大杉のなか、針葉樹独特の静寂のなかに入っていく。正宮まで20分ほど。道行きには何の飾り気もない。手つかずの自然の森の「厳かな力」の脈動が伝わってくる。

 日本書紀の記述では、倭姫命(やまとひめのみこと)は長旅の末、この地に天照大神の鎮座地を求めたという。全身でその風景に浸り、先人の感じたものに一歩ずつ近づいていくような気がした。

(鳥越けい子)


 ◆伊勢神宮

 伊勢神宮は通称で、正式名は「神宮」。内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)をはじめ、別宮、摂社、県内4市2郡にわたる末社などあわせて125社からなる。「二拝二拍手一拝」を行い、外宮から内宮の順に参拝をするのがならわし。およそ1300年間続く式年遷宮は、すべての神殿や神宝を新しく作りかえて御神体を移す神宮最大の神事で、次回は2013年に執り行われる。
 ▼内宮 皇室の祖先神にあたる天照大神をまつる。5500ヘクタールにわたる敷地内には樹木が茂り、祭神をまつる正宮をはじめ、宮内の神田でとれた稲を納める御稲御倉(みしねのみくら)や舞楽が奉納される神楽殿などが点在。
 ▼外宮(げくう) 神々の食事をつかさどる豊受大神(とようけのおおみかみ)をまつる。衣食住や産業の神とされる。
 いずれも参拝時間は午前5時〜午後6時(季節によって異なる、詳細は問い合わせを)。問い合わせは神宮司庁広報課(0596・24・1111)。
 
 ◆お伊勢さん観光ガイドの会

 午前9時半〜午後3時(年末、1月を除く)、ボランティアガイドが内宮・外宮を案内。ガイドの交通費など実費のみ負担。内宮のみ希望日の1週間前までに要予約。問い合わせは伊勢市観光協会(0596・28・3705)。
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