
【イラストより】南部鉄器は、炉でドロドロに溶かした湯(鋳鉄)を一個一個、鋳型に流し込む。
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第7回 ごはん釜
 岩手県水沢市 |
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岩手県水沢市は鋳物の町。その歴史は、約900年前の藤原3代の時代まで遡(さかのぼ)るといわれる。近郷の山から鉄鉱石が産出し、北上川から鋳型に使われる川砂や、耐火性に優れた粘土が採れ、燃料の炭や薪が豊富に手に入った。
近年まで、鉄を溶かすキューポラが林立し、赤い炎が夜空を焦がした。その、鋳物の町はいまも健在。新幹線の駅に程近い一画に、いくつもの工場が並んでいる。
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鉄瓶を作っている工場をのぞくと、ほの暗い土間に、鉄が燃えたぎる熱気と、饐(す)えたような酸化臭が充満している。炉の中は1300度を超えている。火山のマグマ、地球の胎動を目の当たりにしているようだ。その熱に炙(あぶ)られながら、男たちが忙しく立ち働いている。
炉からドロドロに溶解した湯(鋳鉄)を、湯くみでくんで鋳型に流し込む。鋳型は、木型から起こし、キメの細かい川砂と粘土を混ぜて固めて作る。上型と下型を分け、外型と内側の中子を組み合わせる。鉄瓶の場合は表面のアラレ、ミゾレ、花鳥風月などの文様を、ヘラで外型の内側に手彫りする。
外型と中子の間に鉄瓶や鍋の厚み分のすき間があり、そこに湯を流し込む。均等に流し込むには熟練がいる。砂が焼けるにおいと熱気が立ちこめる。火花が飛ぶ。ボンッと中の空気が破裂する。
冷めたところで砂型を壊して、中身を取り出す。1個1個、ヤスリをかけてバリを削り取り、炭火で焼いて酸化膜をつけたり、生漆をかけたりして仕上げる。作業は82工程におよぶ。小さな風鈴から鉄瓶、鉄鍋、大きな街路灯や橋の欄干まで、基本的な作業は同じだ。
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及源(おいげん)鋳造では、伝統的な製品だけではなく、いまの生活スタイルに合ったものを積極的に開発している。「南部ごはん釜」もその一つ。
釜は、岩手姉っこのように、ふっくらとした丸みのあるフォルムが美しい。肌合いが優しいのに、ずっしり重い。それもそのはず、底厚が5ミリもある。この尻の重さと丸みが、おいしいご飯が炊ける秘密。火にかけると対流が起こり、米が釜の中をグルグル駆け回る。蓋(ふた)が重いので圧力鍋のように、芯が残らず、ふっくら炊ける。
昔、薪を燃やして、カマドで炊いたご飯がおいしかった。その感動が、一般家庭のガス台で味わえる。日本人は、何はなくても、おいしいご飯をいただく時に、しみじみと幸せをかみしめる。
 | | 城下町の面影を残す旧内田家 |
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◆お取り寄せ
南部ごはん釜(3合炊き、5000円)、ドーナツ型の「タミさんのパン焼き器」(内径17.5×高さ11×深さ7センチ、5000円)。税・送料別。問い合わせは及源鋳造(TEL0197・24・2411、FAX25・3619、(月)〜(金)の午前9時〜午後5時半)。

南部ごはん釜の3合炊きを3人に。
はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号、プレゼント希望と記し、郵便番号023・0132岩手県水沢市羽田町堀ノ内45、及源鋳造。10月15日必着。10月下旬発送。
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