
【イラストより】西陣の絹織物は、多くの熟練した職人の手で糸から織り上げられる。
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第14回 絹の コーヒーフィルター
 京都市上京区 |
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京都・西陣界隈(かいわい)は、細い路地に目立たない町家造りの家が軒を連ねる。ありきたりの町並みが、逆に心を和ませる。ここが千年の歴史を秘めた織物と、その伝統を守り継いできた職人の町だ。
「外からは分からんけど、ほとんどが織物関係の仕事をしてはりますわ。狭い家に住居と工場が一体になっている」
絹織物の機屋「織道楽・塩野屋」14代目、服部芳和さん(55)が言う。西陣伝統のお召織物の普及に努める。
「浄肌衣(じょうきい)」と銘打った天然シルクの肌着やキャミソール、ワンピース、シャツ、ショール、手袋、靴下、さらにはコーヒーの絹ドリップ・フィルターなど、優れた技法を生かした新しい商品も創作している。
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「日本の絹の良さを知ってもらいたい。それで西陣が生き残っていける。その手助けができればいい」
絹織物は、蚕の繭糸から布に織り上がるまで、気の遠くなるような時間と手間がかかる。分業化された熟練の職人たちの、手作業による総合芸術。その一人が欠けても布ができない。
服部さんは最高品質の春繭にこだわっている。芽吹いたばかりの桑の葉を食べた春繭は、品質の高い絹糸を出す。1個の繭から1200から1500メートルの細い糸がとれる。真ん中の強い部分を何本か束ねて縒(よ)り合わせると原糸になる。それを何本か右縒り、左縒りをかけて合わせ撚糸(ねんし)にする。
絹特有の光沢と柔らかさを出すために、糸のニカワ質を取り除く精練、糸染め、糊(のり)付けを経て本縒りの工程に入る。本縒りは1メートルに2500回の強い縒りをかける。右縒り、左縒りの強撚糸を横糸にして、縦糸に交互に織り合わせると、ようやく布になる。
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強撚糸を織り込んだ絹布は、水にぬれると縒りが戻り、生地に独特のシボが生まれる。初めは縮むが徐々になじんで柔らかい風合いが出てくる。
塩野屋さんで絹ドリップのコーヒーをいただく。陶器のドリッパーに円錐(えんすい)形の絹フィルターをセットする。熱湯を注ぎ、絹布にコーヒーのエキスを含ませて、ゆっくり抽出する。漉(こ)すのではなく、まさにドリップ(抽出)する。繊維が細かいので、エグミが出ない。芳(かぐわ)しい香りと風味が味わえ、何度でも洗って使える。
春繭の糸を紡いだコーヒーは格別の味わいがあった。1日に1度、こんなぜいたくな時間があっていい。
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| 京都駅近くから東寺を望む |
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◆お取り寄せ
絹製フィルターと陶器製コーヒードリッパーのセット(5000円)、絹製ティーバッグのセット(大1・小2、3200円)。税・送料別。発送まで時間がかかる場合があります。FAX織道楽・塩野屋(TEL075・461・1997、http://www.shiono-ya.co.jp/)。

フィルターとドリッパーのセットを5人に。
はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号、「プレゼント希望」と記し、郵便番号602・8333京都市上京区一条通六軒町西北角、塩野屋プレゼント係。12月3日必着。12月上旬発送。
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