
【イラストより】ご主人自ら型を彫って、オリジナルの手ぬぐいを作っている。毎年、新作が登場する干支の手ぬぐいに人気がある。
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第17回 手ぬぐい
 東京都中央区 |
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日本橋浜町かいわいは、銀座や日本橋の繁華街に近いのに、下町の風情が残っている。ビルの谷間に緑青が吹いた銅板ぶきの商店があり、路地を折れるとしもた屋風の家が軒を連ねていて心が和む。東京のど真ん中に庶民の暮らしがある。
江戸手ぬぐいの老舗(しにせ)「高虎」の店も路地裏にあった。浜町公園のすぐ横、明治座も近い。ご主人の高橋欣也さん(67)は江戸っ子の粋と意地っ張りの見本のような人だった。
「15歳からおやじについて修業した。まあ、江戸っ子は3代続くと恥、店は3代続かないと恥っていう。だけど、職人っていうのは、常に自分1代。老舗なんてぇ看板は気恥ずかしい」
歯切れのいい啖呵(たんか)で煙(けむ)に巻く。頭の手ぬぐい被りが粋だ。「あたしは、これをとると無毛(無形)文化財だから」と、また一本取られてしまう。
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手ぬぐいは、もとは儀礼装身具として「冠(かぶ)る」ものだったが、江戸時代に木綿製が普及して庶民のおしゃれとして「被る」ものになった。男には、ねじり、むこう、うしろなどの鉢巻きに、盗人、米屋、ひょっとこ被り。女には姉さん、子守、婆さまなど、商売や暮らしに合わせて二十数種の被り方が生まれた。
吸水性や肌触りがよく、オムツにしたり、井戸のポンプ口を覆ったり、ふきんとして使ったりもした。けがをした時は裂いて包帯に、げたの鼻緒が切れた時の代用品にもなった。暮らしの中になくてはならない万能の布で、いろんな大きさで使えるように両端が切りっぱなしになった。
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実用品としての手ぬぐいが、江戸時代の歌舞伎人気とからみ合って大流行する。斧(よき)と琴、菊をあしらって「よきことをきく」など、言葉遊びやしゃれがはやった。手ぬぐいには、町人文化が華開いた江戸という時代の粋や自由さ、明るさがある。
「奢侈(しゃし)禁止令」が出された時には「四八茶百鼠(しじゅうはちちゃひゃくねずみ)」といわれるほど多くの茶色とねずみ色が流行した。松葉くずし、山道、豆絞りなど、江戸小紋の手ぬぐいも人気があった。
「高虎」は伝統の江戸手ぬぐいにこだわる。ご主人自ら型を彫ったオリジナルも作る。毎年新作が登場する干支(えと)の手ぬぐいを心待ちにしているファンも多い。
軽くてかさばらない。洗っても乾きやすく清潔で、タオルにはない良さがある。手ぬぐいの良さを暮らしに生かす知恵をもう一度復活させたい。
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| 時代劇の殿堂、明治座 |
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◆お店情報
柄入りの手ぬぐいは1500円から、「山道」「篭目(かごめ)」など江戸小紋800円、本豆絞り1500円。税別。東京都中央区日本橋浜町2丁目、高虎商店(浜町駅、TEL03・3666・5562)。

1000円相当の手ぬぐいを10人に。
はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号、「プレゼント希望」と記し、郵便番号104・8011東京都中央区築地5の3の2、朝日マリオン21・良品探訪プレゼント係。12月24日必着。1月初旬発送。
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