
【イラストより】藍液につけた糸をふみ竹とぎり棒で絞る。ボキッと骨が折れるような音がする。
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第24回 作務衣
 埼玉県羽生市 |
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関東平野のど真ん中。坂東太郎の利根川をはさんで群馬県と接する羽生市は、川の堤が一番標高が高いという真っ平らな農村地帯。晴れていれば、浅間、榛名(はるな)、赤城、男体の山々が眺められ、冬は赤城おろしの冷たい風に吹きさらされる。強い風にあおられながら土手を下ると、畑の中に風よけの屋敷林に囲まれた家が点在している。
羽生市を中心とした北埼玉地方は、江戸時代から「武州正藍(しょうあい)染め」の産地として知られてきた。明治期には百軒を超える紺屋(こうや)があって隆盛を極めた。
武州正藍染めとは、糸の段階で染める「先染め」のこと。先染めは、天然の藍染料が糸の中まで染み込んで色が長持ちし、薬効も損なわれない。
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「先染めは糸が生きている。生地が5割以上も丈夫になります。それに藍は殺菌、抗菌、虫よけの効果があります」
野川雅敏社長(44)が笑う。メガネをおさえる手が藍に染まっている。
昔から変わらない「天然発酵建て」にこだわる。工場で天然藍をはぐくみ、生命力を最高潮に高めて糸から染める。藍は生き物。しかも正直で、うそやごまかしがきかない頑固者。甕(かめ)の中で藍玉からゆっくり発酵させる。力がないと石灰やふすま(小麦の殻の粉)を「くれて」やり、寒そうだと温めてやり、毎日欠かさず撹拌(かくはん)して世話をする。
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愛情を持って接すると、藍がそれに応える。発酵が進むと金色の泡の花が咲く。その甕に丁寧にほぐした糸の束をつける。藍液をたっぷり吸った糸を引き出して絞る。空気に触れて一瞬に淡い空色に変化する。
染めは30回以上繰り返す。最初は白殺しをした後の「甕覗(のぞ)き」の色。さらにネギの葉の「浅葱(あさぎ)色」、緑にくすんだ青が混じった「納戸色」、最後に、深く、濃い黒に、わずかに赤や紫がかった「紺色」に変わっていく。
本物の藍染めの布は冬はフワッとして暖かく、夏は汗をかいてもサラッとして着心地がいい。使い込むほど肌になじんでくる。洗うと最初は色が出るが、徐々に落ち着いて、いい風合いになって愛着が増す。
野川染織工業は長年、「武州一」ブランドの剣道着を作り続けてきた技術を生かして、刺し子の作務衣(さむえ)も手がけている。厚手で吸収性がよく暖かい。風格と気品があり、普段着にも、おしゃれ着にもなる。こんな作務衣なら、自分の人生を共に分かち合いたくなる。
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| 風雨から家を守る屋敷林 |
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◆お取り寄せ
刺し子の作務衣(M・L・LL)は3万3000円から、平織り作務衣(同)2万8000円から、もんぺを部屋着に改良した「たももぱんつ」(男女M・L)4500円から。税・送料・代引き手数料別。注文はファクスで。
野川染織工業(TEL048・561・0368、FAX563・2323)。

たももぱんつを10人に。
はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号、サイズ(男女M・L)を記し、郵便番号348・0033埼玉県羽生市須影878、野川染織工業「良品探訪プレゼント」係。2月14日消印有効。下旬発送。
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