
【イラストより】火床(ほど)の火で赤めた鋼(はがね)と地金(じがね)を打って鍛接し、打ちのばしていく。
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第30回 和ペティナイフ
 新潟県三条市 |
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三条市は古くからの刃物の町だ。かつては、路地を折れると赤くさびたガラス戸の家が点在し、鎚(つち)打つ音がもれていた。
薄暗い土間の隅で火床(ほど)の赤い炎が踊り、鎚を振り下ろすと、花火のように火花が飛ぶ。火床から抜き出したばかりの鉄は柔らかく、鎚を打つと食い込んでトンとくぐもった音がする。冷えてくると硬くなってテンと音が変わり、最後には鎚をはじいてカーンと高い金属音がする。
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刃物鍛冶(かじ)「重房」の飯塚解房さん(62)。以前からその技と人柄に引かれてきた。鍛冶場をのぞくと、いつも不思議な感じを抱く。1000度を超える火を操り、鉄を鍛えるという荒々しさがない。火床の火は常に静かに燃えている。低い温度で鉄が火を吸うまでゆっくりと待つ。
鎚で打つときも力まかせにねじ伏せるようなことはしない。自然に鉄の塊が形を変えて刃物になっていく感じがする。だから、刃物にも研ぎ澄まされた切れ味に反して、表情が穏やかで怖さというものが伝わってこない。
恐れ多いことだが、飯塚さんにペティナイフをお願いした。重房のペティナイフはすでにある。刃とハンドルまで一体に打ち出したもので、ほれぼれするようなナイフだ。それだけに値が張る。もう少し、一般の人が気軽に使えるものができないか。飯塚さんは「ウーン!」とうなって、しばらく考えたあと、「やってみようか」と言ってくれた。
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待った。そしてついに、日本の伝統的な和包丁の技術を生かしたペティナイフが出来上がった。刃渡り15センチ。細身の薄刃でさびないように黒焼きがしてある。一般家庭では、これ一本で大抵の調理に使える。
欧米ではほとんどペティナイフを使っている。ただ、厳密にいうと、外国の刃物はほとんどが鋼だけで作ってあるので最初はよく切れるが、刃が減ってくると研ぎにくい。その点、伝統的な和包丁は鋼を柔らかい地金でサンドイッチに鍛接してあるので、研ぎやすい。また、火作りで鍛造した刃物は金属組織が密になって丈夫で、切れ味が鋭い。
もともと、煮たり焼いたり、火を通す料理がほとんどの外国ではそれでもよかった。日本では刺し身など料理法が多岐にわたり、切れ味が味を左右する。日本人の繊細な味覚や嗜好(しこう)性は、包丁によって育てられたといってもいい。
素晴らしいペティナイフが誕生した。
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| 良寛ゆかりの八幡宮の境内 |
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◆お取り寄せ
和ペティナイフ(30丁限定)は2万円。送料別。はがきかファクスで注文。5月中旬発送。
問い合わせは新潟県県央地場産業振興センター(TEL0256・32・2311、FAX34・6167)。

和ペティナイフを2人に。
はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号955・0092新潟県三条市須頃1の17、新潟県県央地場産業振興センター「良品探訪プレゼント」係。4月2日必着。5月中旬発送。
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