asahi-mullion.comのロゴ
■トップページ ■サイトマップ ■検索ページ ■くらしの良品探訪・バックナンバー
しなやかさ秘めた古代布   くらしの良品探訪タイトル
イラスト
【イラストより】シナの木の皮から繊維を採り、糸にして布に織る。
第32回
しな織り
しな織り
山形県温海町


地図
 朝日連峰山麓(さんろく)に抱かれた豪雪地帯の関川集落は、古くから「しな織り」の里として知られる。しな織りは、山に自生するシナの木の樹皮から繊維を採って布を織る。沖縄の芭蕉布(ばしょうふ)、静岡のクズ布と並ぶ日本三大古代織りの一つ。その伝統技術を関川の人々が守り継いでいる。

 「でも、優れた伝統文化を本当に守り伝えていくには、技術が残っているだけでは駄目。作り手が自信と誇りを持てるような評価が必要なんです」

 「しな織りギャラリー・石田」の石田誠さん(49)がいう。鶴岡の老舗(しにせ)呉服商の5代目で、しな織りの美しさと強靭(きょうじん)さに魅せられて以来、その普及に情熱を注いできた。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 シナの樹皮をはぐ作業は、梅雨時の数日間のみ。シナの木は一つの根株から何本もの幹が伸びていて、切っても、切り株からまた新しい芽が出る。成長が早く、10年もすると伐採できる。繊維として利用されるのは内皮。樹皮をはいだら、その場で内皮をはぎ分ける。

 集められたシナ皮は、自然乾燥してから木灰で煮て、水洗いし、両手でもむようにして1枚ずつ薄くはがしていく。清流で何度も洗い、糠(ぬか)に漬け込んで色を戻し、また洗って乾かす。

 シナ裂きにかかるのは11月。すでに冬が忍び寄っている。指先で細く裂いた繊維をつないで、長い1本の糸にし、強い糸にするためによりをかける。糸作りまでに22工程を経て、半年かかる。そして、シンシンと雪が降り積もる冬に、女はいざり機に向かい、黙々と布を織る。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 しな織り布は、織り目が美しく、肌触りがいい。軽くて丈夫。型崩れしない。通気性がよくて温かい。水ぬれにも強い。使い込むほどに味わいのあるつやが出てくる。

 「いま、しな織りがこのあたりしか残っていないのは、終焉(しゅうえん)の地だからではなく、シナに選ばれた最終の地だからだと思っています」

 石田さんは、しな織りの新しい商品を開発している。好評なのが「ポシェット」。軽くてコンパクト。全開ファスナー付きポケットや五分開きファスナー付きポケット、中身こぼれ防止などを考えてあって、機能、収納力に優れている。男女兼用で、ショルダー、手さげにもなる。照明器具の「アクセント・ライト」は、しな織り布と木片入りの和紙を組み合わせて1個1個手作りしている。

 しな織り布が秘めた自然の癒やしの力が、疲弊した現代にこそ必要だ。


シナの伐採
梅雨の季節にシナの幹を切り、
樹皮をはぐ

◆お取り寄せ
 しな織りのポシェットは3万6750円、アクセント・ライト3万9900円。送料・代引き手数料別。注文はファクスか郵送で。問い合わせはしな織りギャラリー・石田(TEL0235・33・2025、FAX33・3011、(水)を除く午前10時〜午後5時)。

プレゼント
 しな織りのポシェットを1人に。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号997・1124山形県鶴岡市大山2の17の7、しな織りギャラリー・石田「良品探訪プレゼント」係。4月16日必着。下旬発送。


(2004年4月7日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

《バックナンバー》

asahi-mullion.comトップページへ
サイトマップ | 会社案内 | 広告募集 | 問い合わせ | プライバシー | 著作権 | リンク
asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.