
【イラストより】シナの木の皮から繊維を採り、糸にして布に織る。
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第32回 しな織り
 山形県温海町 |
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朝日連峰山麓(さんろく)に抱かれた豪雪地帯の関川集落は、古くから「しな織り」の里として知られる。しな織りは、山に自生するシナの木の樹皮から繊維を採って布を織る。沖縄の芭蕉布(ばしょうふ)、静岡のクズ布と並ぶ日本三大古代織りの一つ。その伝統技術を関川の人々が守り継いでいる。
「でも、優れた伝統文化を本当に守り伝えていくには、技術が残っているだけでは駄目。作り手が自信と誇りを持てるような評価が必要なんです」
「しな織りギャラリー・石田」の石田誠さん(49)がいう。鶴岡の老舗(しにせ)呉服商の5代目で、しな織りの美しさと強靭(きょうじん)さに魅せられて以来、その普及に情熱を注いできた。
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シナの樹皮をはぐ作業は、梅雨時の数日間のみ。シナの木は一つの根株から何本もの幹が伸びていて、切っても、切り株からまた新しい芽が出る。成長が早く、10年もすると伐採できる。繊維として利用されるのは内皮。樹皮をはいだら、その場で内皮をはぎ分ける。
集められたシナ皮は、自然乾燥してから木灰で煮て、水洗いし、両手でもむようにして1枚ずつ薄くはがしていく。清流で何度も洗い、糠(ぬか)に漬け込んで色を戻し、また洗って乾かす。
シナ裂きにかかるのは11月。すでに冬が忍び寄っている。指先で細く裂いた繊維をつないで、長い1本の糸にし、強い糸にするためによりをかける。糸作りまでに22工程を経て、半年かかる。そして、シンシンと雪が降り積もる冬に、女はいざり機に向かい、黙々と布を織る。
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しな織り布は、織り目が美しく、肌触りがいい。軽くて丈夫。型崩れしない。通気性がよくて温かい。水ぬれにも強い。使い込むほどに味わいのあるつやが出てくる。
「いま、しな織りがこのあたりしか残っていないのは、終焉(しゅうえん)の地だからではなく、シナに選ばれた最終の地だからだと思っています」
石田さんは、しな織りの新しい商品を開発している。好評なのが「ポシェット」。軽くてコンパクト。全開ファスナー付きポケットや五分開きファスナー付きポケット、中身こぼれ防止などを考えてあって、機能、収納力に優れている。男女兼用で、ショルダー、手さげにもなる。照明器具の「アクセント・ライト」は、しな織り布と木片入りの和紙を組み合わせて1個1個手作りしている。
しな織り布が秘めた自然の癒やしの力が、疲弊した現代にこそ必要だ。
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梅雨の季節にシナの幹を切り、 樹皮をはぐ |
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◆お取り寄せ
しな織りのポシェットは3万6750円、アクセント・ライト3万9900円。送料・代引き手数料別。注文はファクスか郵送で。問い合わせはしな織りギャラリー・石田(TEL0235・33・2025、FAX33・3011、(水)を除く午前10時〜午後5時)。

しな織りのポシェットを1人に。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号997・1124山形県鶴岡市大山2の17の7、しな織りギャラリー・石田「良品探訪プレゼント」係。4月16日必着。下旬発送。
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