
【イラストより】付近の山から採取した土を唐臼で細かく砕き、水で洗い、濾過(ろか)してきめ細かな陶土を作る。
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第35回 小鹿田焼
 大分県日田市 |
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せせらぎ歌う山峡の集落に、ときどきゴットン、ゴロンと丸太が転がるような、調子はずれの合いの手が入る。狭い急斜面の集落の真ん中を流れる沢をのぞくと、唐臼が何台も並んでいる。
流れに突き出した先端のくぼみに水がたまると、重い横木がギイーッときしみながらゆっくりと下がり、テコの原理で反対側の杵(きね)がついた先が持ち上がる。水がザーッとこぼれると、頭が軽くなって杵がドスンと尻餅をつく。
地面に掘られてある臼には、固い山土が入っていて、20日間ほど杵につかれてキメ細かい粉土になる。それを水が入ったフネに入れて撹拌(かくはん)し、沈殿させて陶土にする。
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「小鹿田(おんた)焼は、昔からの技法をそのままの形で引き継いじょる。地元の山土、唐臼、けりロクロ、登り窯。何一つ変わっちょらん」
窯元の柳瀬朝夫さん(61)がいう。小鹿田・皿山は戸数14軒。そのうち10軒が約300年に渡って技法や伝統を世襲で守り継いできた。それぞれの家で3、4台の唐臼と登り窯を持っている。
小鹿田焼は古い李朝系の技法が色濃く残っている。31年に民芸運動の指導者、柳宗悦が、54年、64年に英国の陶芸家バーナード・リーチが訪れてから、隠れ里のようだった小鹿田が一躍世に知られるようになった。95年に国の重要無形文化財保持団体に指定された。
小鹿田焼は、もともと土間で使う水がめやみそがめ、穀物を入れるかめなどを作っていた。土が高温に弱く、固い焼き締めができないために火に直接かける土鍋などはできなかった。
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柳瀬さんがなれた動作でロクロをける。棒状にして巻き重ねた土が、手の中で滑らかな肌にのばされ、変形していく。指の形がそのまま残るような厚手の器は、肌あいがやさしく気取りがない。特徴は、つめでかいたような文様の飛びかんな、くし描き、はけ目、上薬の打ち掛け、流しなど。温かみがあって、素朴な味わいがある。
皿物もいいが、湯飲みやタンブラー型の器はお湯やお茶がまろやかな味になる。上薬がかけてあるが、ビールを注ぐと気泡がキメ細かくなって舌触りがよく、おいしくなる。
ちょっと心そそられるのが水差し。厚手で少し重い感じがするが、形に温かみがあり、書きなぐったような上薬のはけ目が民芸的な素朴な味わいを出し、花いけにも使える。
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| 小鹿田焼の陶土を精製する唐臼 |
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◆お取り寄せ
水差し・大(高さ27センチ)は4500円、中(17センチ)2800円、小(13センチ)1800円。送料別。問い合わせは小鹿田焼・柳瀬朝夫(TEL0973・29・2440、FAX29・2442)。

水差し・中を5人に。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号877・1121大分県日田市源栄町皿山、柳瀬朝夫方「良品探訪プレゼント係」。5月15日必着。5月中旬発送。
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