
【イラストより】表皮をはいで乾燥させたヘチマの実を切り開き、スルメのように板状にのばす。通気性が良く、汗を吸収して、抗菌作用がある。
|
第37回 ヘチマ
 富山県大島町 |
|
煮干しのように反った能登半島の付け根、射水平野のど真ん中。東に呉羽丘陵を隔てて北アルプス立山連峰を望み、サケが上る庄川に寄り添う大島町は「ヘチマの町」だ。ヘチマ生産組合を中心に、町おこしに取り組んで20年ほどになる。いまは2ヘクタールの畑で、立山の名水と無農薬で丹精してヘチマを育てている。
ヘチマは熱帯アジアが原産のウリ科の1年生植物。毎年、種から苗を育てて5月半ばに植え付ける。蔓(つる)が棚の上まで巻きついて伸び、夏に黄色い花を咲かせる。ヘチマ水用は棚を作らず地面にはわせる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
果実が大きくなるのは8月下旬ごろから。福禄寿の頭のように伸びて、表面が黄色みを帯びる9月下旬から10月初めごろが収穫の時期になる。万葉集ゆかりの二上山に早い秋の気配が忍び寄っている。
「たわしなど、加工するには実が大きくて真っすぐのものがいい。端を切って水に漬けると表皮が自然にはがれます。ヘチマ水を採るには、中秋の名月の夜が一番いいといわれています」
「へちま産業」の瀧田秀成さん(39)がいう。へちま産業では、ヘチマの化粧水やせっけん、たわし、布団の敷きマットや枕、靴の中敷などを作っている。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ヘチマを加工するには、表皮をはいで乾燥させた実を、魚をさばくようにカッターで縦に切り開き、中心部の硬い繊維を取り除く。それを1枚ずつ圧延機にかけて、スルメのように板状に伸ばす。
靴の中敷は型抜きし、表面に布を張って縫製、縁取りする。敷きマットは、四角くカットしてからカバーをして縫い合わす。枕は細かく粉砕して詰める。
「もともと寝たきりの人の床ずれ予防に開発したものです」という敷きマットは、通気性がよく、汗を吸収して蒸れにくい。夏涼しく、心地よく安眠できる。折りたためるので収納にも便利だ。
枕は、熱がこもらず、湿気を吸い取る。頭をのせるとヘチマのチップが水の流れのようにサラサラとささやきながら沈んでいく。中秋の名月の光を浴びながら、ヘチマ水がしたたり落ちる光景が目に浮かぶ。自然の癒やしが眠りを誘う。ヘチマチップだけのものと、弾力性をもたせるエステル綿入りの2種類ある。
靴の中敷は肌触りがよく、足裏を心地よく刺激する。通気性と抗菌作用があって水虫にもいい。
ブラブラしてなにもしない人間を揶揄(やゆ)するヘチマの、隠れた底力を見直さなければならない。
 |
| 夏のヘチマ畑 |
|
◆お取り寄せ
ヘチマ敷きマット(78×135センチ)は1万290円、同ロング(78×190センチ)1万8900円。ヘチマ枕8400円、エステル綿入り枕1万2075円。靴の中敷(S、M、L)1575円。送料込み。はがきかファクス、ホームページで注文。

ヘチマ水100%の「オオシマ スキンローション」を10人に。
はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号939・0273富山県大島町中野633の2、へちま産業「良品探訪プレゼント」係(TEL0766・52・5454、FAX52・5475、http://www.hechimaya.co.jp)。5月28日必着。6月初旬発送。
|
|
|