
【イラストより】炉で溶けたガラスのタネを吹きさおで吹いて形にする。
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第41回 創作ガラス酒器
 千葉県千倉町 |
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千倉町は南北に13キロ。太平洋に沿って、エメラルドグリーンから紺碧(こんぺき)に色を深める海と、屏風岩の奇岩群や船だまり、白い砂浜が続いている。暖冬涼夏。鯨もやってくる。冬でも、露地植えのお花畑に彩られる。
ウキウキした気分で山手に足をのばす。そこに友人のガラス工房がある。大場匠(たくみ)さん(38)。数々のコンクールで受賞している有能な若手ガラス作家で、3年前から千倉で制作活動をしている。
その彼に数カ月前から、「何か面白い、冷酒用の酒器ができないか」という相談を持ちかけていて、それが「できた」という連絡があった。
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大場さんが、ニコニコした顔で待っていた。酒器は、酒が2合弱入る大きさで、口の真ん中をギュッと絞った、いわゆる両口型。お猪口(ちょこ)が2個セットになっている。細かい砂粒のようなものと気泡が入っていかにも涼やかで、独特のゆがみを生かした柔らかいフォルムが、遊び心があって楽しい。
「これ、ボンペイって名前をつけようと思っている。ほら、早野凡平っていう、天才芸人がいたでしょう。帽子芸の。あの帽子のイメージで作った」
彼一流のシャレで、作家然としない、一種のテレ隠しでもある。
「酒は、気の合った相手としみじみ飲(や)りたいじゃないですか。両口だと、間に置いてつぎ合える」
確かに、大きさも手頃で、手のひらに納まって持ちやすい。気泡入りで、清涼感がある。夏の冷酒にぴったりだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
溶解炉にゴーゴー音を立てて火が燃えている。温度は約1300度。中でガラスのカレットがドロドロに溶けている。そのタネを、吹きさおを差し込んで取り、丸く形を整えて珪砂(けいしゃ)をつける。一息フッと吹き入れるとゆっくり膨らんでくる。外側から先のとがった道具でブスブス突く。それが気泡になる。
再び炉の中からタネを取り、二層目で包み込む。アメのように柔らかいガラスの塊に、文字通り息が吹き込まれ、形が出来上がっていく。鉄輪で形を矯正し、口の部分はハサミで切ってから洋ばしで広げたり、曲げたりして形を作る。
ガラスは、火と融合して形を変える。大場さんは、無理やり形にしようとしない。作意と、偶然性との出会いを楽しんでいる。一個一個形が違い、個性がある。手作りならではの面白さでもある。
今年の夏は、一風呂浴びて汗を流してから、冷酒で1杯飲る楽しみができた。
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| 年中温暖な千倉町 |
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◆お取り寄せ
ガラス製の酒器とお猪口2個のセットは1万2000円。送料別。手作りのため、発送に時間がかかる場合があります。

ガラス製のぐいのみを5人に。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号295・0011千葉県千倉町北朝夷1889、グラスフィッシュ「良品探訪プレゼント」係(TEL・FAX0470・44・5660、http://cat.zero.ad.jp/~zat76700/)。6月25日必着。7月上旬発送。
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