
【イラストより】天然殺虫成分がある無農薬の除虫菊除虫草で蚊よけ線香を作っている。やさしい香りで無害。
|
第42回 蚊よけ線香
 愛知県津島市 |
|
日本三大川まつりの一つ、尾張津島の「天王まつり」のハイライトは、天王川公園の池に浮かぶ5隻のまきわら船に提灯(ちょうちん)の灯がともされる宵まつり。夜の川面に映し出される傘型の提灯の灯は、菊の花のように絢爛(けんらん)で美しい。
まきわら船の提灯の灯が大輪の菊なら、除虫菊はマーガレットのようにかれんな花だ。花の黄色い部分に天然殺虫成分のピレトリンが含まれていて、これを虫が嫌う。畑の縁に植えておくと虫よけになる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
除虫菊は、バルカン半島原産の多年草。明治初期に渡来し、全国各地で栽培された。とりわけ、北海道は一大産地だった。除虫菊の蚊取り線香は、「大日本除虫菊」(金鳥)の創始者、上山英一郎氏がアメリカから輸入した除虫菊の種子を故郷の和歌山で栽培し、それを原料に商品化したのが始まりだ。
最初は棒状だったが、1895(明治28)年に渦巻き型が登場する。折れにくく、長時間燃やせる。渦巻きをまっすぐのばすと約75センチ。平均睡眠時間に合わせて作られている。
「戦後に合成殺虫剤が登場して、除虫菊の蚊取り線香も花畑もほとんどなくなってしまったんです」
98年から除虫菊の線香を製造販売している「りんねしゃ」の飯尾純市さん(54)がいう。飯尾さんは、志ある農家の協力を仰ぎ、無農薬で除虫菊を栽培している。7月上旬、成分が安定する8分咲きのときに一気に刈り取って低温保存し、10月から2月に工場で製造する。
除虫草と除虫菊の粉末に、燃焼を安定させる木粉、粘着性のあるタブノキの粉、食用デンプンを配合して練り合わせる。天然の植物成分は熱に弱いので高温の強制乾燥は避ける。湿度が低い冬場、よろい戸の開閉を調節しながら水分が10%ほどになるまで自然乾燥させる。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「環境保全、健康への影響を考えて、できるだけ殺虫剤の使用を減らしたいんです。殺すという発想ではなく、蚊をよける忌避効果があればいい」
もともと日本人は、蚊やり草のヨモギやカヤの葉を火にくべたり、山仕事には束ねたワラをいぶしたりして、蚊を遠ざけて共存してきた。はかない虫の命にも心を寄せる、日本人の情緒性があった。
自然素材の線香は、やさしい香りがする。何よりも安心感がある。ゆっくりとくねる煙の芳香を楽しみながら、夏の夜をすごす。心の癒やしは、そんなささやかなところにもある。
 |
| 白い花をつける除虫菊 |
|
◆お取り寄せ
「菊花せんこう・標準」(30巻入り、約6時間燃焼)は893円、「角型ミニタイプ」(32巻入り、約3時間燃焼)725円。送料、代引き手数料別。

菊花せんこう・標準を2箱セットで10人に。
はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号496・0008愛知県津島市宇治町天王前80の2、りんねしゃ「良品探訪プレゼント」係(TEL0567・24・6580、FAX25・9704、http://www.rinnesha.com)。7月2日必着。7月上旬発送。
|
|
|