
【イラストより】朝鮮式独特の低い登り窯がいまも使われている。
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第48回 急須
 兵庫県篠山市 |
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丹波篠山は、四方を山に囲まれた箱庭のような城下町。城造りの第一人者藤堂高虎が手がけた篠山城の城跡は、いまは外堀に囲まれた桜の名所として親しまれている。
北堀一帯には武家屋敷が点在し、河原町には、約600メートルに渡って妻入商家群が軒を連ねている。妻入り半2階桟敷という造りで、妻側の壁に、大戸、千本格子、荒格子、蔀(しとみ)、虫籠(むしこ)窓、袖壁(そでかべ)、卯建(うだち)などが昔のまま残っている。
通りに、商家の蔵を改造した「丹波古陶館」がある。日本六古窯の一つに数えられる丹波立杭(たちくい)焼の名品が展示されている。重厚で自由な作風の中に朝鮮古陶の影響が色濃く残っていて興味深い。
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立杭に行ってみたくなった。いい急須が欲しい。立杭は、篠山市郊外今田(こんだ)町の山あいにある。山の斜面に、六十数軒の窯元が寄り添い、登り窯もそこここに見ることができる。
「昔から半陶半農の山里で、山の北斜面に人家が固まっていて、日当たりのいい南側に田畑が作ってあります」
「丹彩窯」の今西徹さん(40)がいう。丹波立杭焼は、平安末期から鎌倉時代はじめに発祥したといわれ、およそ800年の歴史がある。つぼや甕(かめ)、とっくり、茶器、食器など、優れた民陶の産地として知られる。
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丹彩窯は、伝統工芸師の今西公忠さん(70)の窯で、工房の裏手に斜面を利用した登り窯があった。朝鮮式独特の半地上の低い窯で、竹割窯、蛇窯(じゃがま)とも呼ばれる。窯からの出し入れは、タヌキかムジナのように四つんばいになって潜り込む。
丹波立杭焼の陶土は、赤土で鉄分が多い。それを登り窯で約60時間かけて焼成する。最高温度1300度で硬く焼き締めると同時に、燃料のマツ薪の灰が原土の鉄分や上薬と溶け合って窯変(ようへん)し、「灰被(かぶ)り」という独特の味わいを生み出す。窯という母胎の中で、火と土が融合する自然の神秘。生み出される器は個性派ぞろい。一つとして同じものはない。
心そそられる急須がいろいろあった。迷った末に、シンプルな白丹波急須を選んだ。ワラ灰の上薬を使った乳白色の肌に鎬(しのぎ)模様が描かれている。
取っ手が輪になった「共手急須」は紅茶やダシなどの容器に使えそうだ。ちょっと厚手の急須の中で、茶葉が湯を含んで香り立つ。注いだときの湯切れもいい。ゆっくりお茶をいただく。今日1日、心穏やかにすごせそうな気がしてくる。
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| 丹波焼の窯元が集まる立杭 |
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◆お取り寄せ
白丹波急須(鎬模様)は6300円、白丹波共手急須6300円、湯飲み1050円。送料別。問い合わせは丹彩窯(TEL079・597・3080、FAX597・3353、http://www.h5.dion.ne.jp/~utsuwaya/)。

急須2種を各2人、湯飲みの5個セットを1人に。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号669・2135兵庫県篠山市今田町上立杭尾中5の1、丹彩窯「良品探訪プレゼント」係。8月20日必着。下旬発送。
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