
【イラストより】細い木材に切り込みを入れて、格子などの文様に組み合わせていく。
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第50回 組子照明
 山形県米沢市 |
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米沢は、南に吾妻、西に飯豊連峰の山々に抱かれながら、最上川の瀬音やさしい旧城下町。心穏やかな気分で、松が岬(さき)公園へ。ここには上杉謙信、上杉鷹山を祀(まつ)る上杉神社、松岬(まつがさき)神社がある。
境内の「稽照(けいしょう)殿」をのぞくと、上杉家ゆかりの遺品や宝物と並んで、上杉景勝に仕えた知将・直江兼続の兜(かぶと)があった。その兜の前立てに飾られた「愛」の一文字に心引かれた。
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堀を北に回ると、旧街道沿いに「木のあかりギャラリー」がある。店内には、組子の技術を生かしたさまざまな照明が展示されている。工芸作家、林久雄さん(53)の作品だ。
「組子という伝統の技術をいまの暮らしに合ったものとして残したい。同時に、作家として人の心を癒やすようなものを作りたい」
建具師の家に生まれ、埼玉県にある建具工芸研究所で、伝統的な組子の技法をみっちり学んだ。
組子は、障子や欄間などの建具に、細い木材に切り込みを入れ、組み合わせて格子などの文様を作っていく。一重菱(ひとえびし)、紗綾(さや)形崩し、亀甲、麻の葉、松皮菱(まつかわびし)など、様々な伝統的意匠がある。しかし、年々日本建築の受注は減り、その優れた技術を生かす機会も減っていく。
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林さんの組子照明は、日本の伝統の技に新しい光を当てた。いろんなコンクールで受賞し、多くの人たちの注目を浴びている。組子の技術が受け入れてもらえる。そのことが何よりうれしい。
従来の平面構成から脱却して、組子で曲げたりねじったりして立体的なオブジェのような造形を追求している。「スター」「アイ」「スパイア」「スパイラル」「響き」「華」「瀧(たき)」など、地組(じぐみ)と呼ばれる枠組みに組手(くで)という切り込みを刻んだ細木で複雑な格子文様を組み込んでいく。
中の電球をともすと、とたんに、そこに光と影の幻想的な世界が生まれる。木の肌が紅潮し、立体的な桟の重なりが独特な文様を描き出す。そこからもれる明かりは、床や壁面に星や幾何学模様の光のオブジェを映し出す。
組子には青森ヒバが多く使われる。ヒバは抗菌作用があり、含有するヒノキチオールが気持ちを沈静化させる芳香を出す。とくに、白熱灯で30度に温められると気化して成分をより多く発散する。まさに、癒やしの明かりだ。
安らぎと癒やしがある家には、家族の愛とぬくもりが育まれていく。
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| 上杉神社の謙信像 |
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◆お取り寄せ
組子照明「木のあかり」のアイは5万2500円(高さ60センチ)、スパイアは5万7500円(同55センチ)と8万4000円(同78センチ)。TEL・FAX林木工芸(TEL0238・23・9376、http://www.omn.ne.jp/~kiakari/)。9月1日(水)〜6日(月)、伊勢丹新宿店の「モダン・クラフト展」に出品。

組子照明・ひかりの小箱(1万500円相当)を3人に。はがきに郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記し、郵便番号992・0052山形県米沢市丸の内2の4の26、林木工芸「良品探訪プレゼント」係。9月3日必着。中旬発送。
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