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2004.7.15(木)更新
 

この魂すでに 神に渡して
替わりに得たのだ 生きて行く力を

 「レ・ミゼラブル・イン・コンサート」

「レ・ミゼラブル・イン・コンサート」
フィナーレで歌うジャン・バルジャン(右)と
ジャベール
 今は工場を経営、人望あつい市長でもあるジャン・バルジャンが、馬車の下敷きになった男を助けた。幼い姪(めい)のため一片のパンを盗み、19年間牢(ろう)に閉じこめられた後、仮出獄のまま逃げた彼を執拗(しつよう)に追うジャベール刑事がそこに居合わせた。そして今日、ジャン・バルジャンという男が法廷に引き出されて来る、と告げる。

 「他人に負わせても生きるか、葬り去るつもりか、罪深い我が過去を、死ぬまで己を偽り続けて生きるか」

 バルジャンは悩み、自問自答して今ある自分に気付く。食事と一夜の宿を与えてくれた教会の銀の食器を盗んで捕まった時、「我が兄弟」と呼んで「闇からあなたを主は救いたもう、あなたの魂、わたしが買った」と許した司教に救われたことを。

 そして「おれは、24653」と、昔の自分の囚人番号を絶叫する。

 ロンドン・ミュージカルの傑作を全編歌で綴(つづ)る珍しいコンサート版。出演者は、オーケストラをバックにオリジナルの衣装でマイクの前で歌う。3時間15分が45分短くなっているが、感動は十分伝わってくる。

 地獄からはい上がり崇高な愛の世界に生きるバルジャン、幼子を託して死んでゆく売春婦、逆にしたたかな底辺の庶民、明日の自由を求めて立ち上がる学生たち、そしてバルジャンの愛の前に自ら命を絶ってゆく法の化身のジャベール。

(八月一日 教宏)

  = 東京芸術劇場 7月20日まで=


C・マッキントッシュのプロデュースによるミュージカル「レ・ミゼラブル」は1985年、ロンドンで初演。日本の初演は2年後で、昨年で20公演に達した。

=2004年7月15日朝日新聞(東京本社版)
夕刊マリオンから

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