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朗読劇「この子たちの夏」 1945・ヒロシマ ナガサキ
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「この子たちの夏の一場面」
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舞台の奥に母が我が子に呼びかける「声なきものへ」の詩が投影されている。「やしの実」のメロディーの中、麦藁(むぎわら)帽姿の女優たちが台本を手に登場、朗読が始まる。1945年8月、米軍の原子爆弾に見舞われた広島と長崎の人たちの悲しみと愛の記録だ。
「『B29よ』という叫び声が終わるか終わらないかの中に、一瞬閃光(せんこう)がきらめいて私は意識を失った」
「−−あたりは真っ暗闇。その中から真っ赤な焔(ほのお)がめらめらと燃え上がり、刻一刻と拡(ひろ)がって行きます」
母親たちが、子供を捜す。
「長男はすでに死んでおりました。指は焼け、顔は赤くはれ上がって、その頬(ほお)に涙が流れ、まだ乾いてはおりませんでした」
そして「どうせ死ぬるのなら、欲しがる水をうんと沢山(たくさん)飲ませてやればよかった」と悔やみ、「額に手をやりましたら蛙(かえる)が私の額の上に登っていました。私は蛙のくせに生きていやがると思うて、暗がりに叩(たた)きつけてやりました」と泣く母たち。
「地獄の業火に焼かれなければならない、私たちに何の罪があったのでしょう」と天国の子供に宛(あ)てた手紙の中で叫ぶのは、勤労奉仕で、家に置いた幼い兄弟を奪われた母。
タイトルにあげたのは、「この青春を 白血病よ 君はどこまでむしばむつもりだ」と病床で書いた女性の25歳の遺稿の一部である。
(八月一日 教宏)
=有楽町朝日ホール 8月6日から9日まで=
◆「地人会」が「この子たちの夏」(木村光一構成・演出)の自主公演を呼びかけている。TEL03・3354・8361、チケットの問い合わせは03・3354・1279。
=2004年8月5日朝日新聞(東京本社版) 夕刊マリオンから
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