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「ファントム」
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和央ようかのファントムと
花總まりのクリスティーヌ
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パリ・オペラ座に潜み恐れられているファントムが、愛する少女クリスティーヌに言われる衝撃的な言葉だ。一瞬驚いたファントムは「そのことは二度と口にしないでくれ。僕の顔は誰の目にも触れてはならないんだ」と拒む。
だが、彼に対する自分の愛を信じているクリスティーヌは「私の真の愛を受け止めて いつもあなたが音楽で 私の心 包むように」と、母が子供をさとすように歌う。
意を決して仮面を取るファントム。絶叫して走り去るクリスティーヌ。
優しかった母を思い、最後に「愛と言う名の無邪気さゆえの過ちか」とクリスティーヌに語りかけるファントム。その姿を、醜い顔を仮面の下に隠して生きてきて、やっと見つけた光明を一瞬に吹き消された青年の悲嘆、絶望が包む。
おなじみ劇団四季のそれとは別のアメリカのヒットミュージカルを、中村一徳が潤色・演出した宝塚版「オペラ座の怪人」である。
宙組トップ和央ようかのファントムは、母が恋しい孤独な男で、怪人とはほど遠い格好よさ。オペラ歌手を夢見る花總まりのクリスティーヌもかれんで、原作を離れた宝塚らしい悲恋が、歌と音楽で盛り上がる。
傷ついたファントムとオペラ座の前支配人キャリエール(樹里咲穂)が父子を名乗り合う所も心に残る。
(八月一日 教宏)
=東京宝塚劇場 8月29日まで=
◆「ファントム」は「ナイン」のトニー賞コンビA・コピット(脚本)とM・イェストン(作詞、作曲)よるアメリカ製ミュージカル。今回の宝塚版が日本初演になる。
=2004年8月12日朝日新聞(東京本社版) 夕刊マリオンから
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